【体験談と医学的根拠】アトピー性皮膚炎が劇的に改善!食事と保湿の正しい方法

んー…かゆい、かゆい、かゆい…かゆみで頭がおかしくなりそうだ…。アトピーって良くならないのかなぁ…。

これは過去の私が抱えていた想いです。本当に症状がひどい方と比べれば、私の症状は目の周囲、首元、肘、指先、膝の裏など局所的でした。それでも目の周りは皮膚が荒れて目が開けにくくなったり、首元は皮膚が裂けて上を向けなくなったりもしました。また、耐え難いかゆみで眠れないこともありました。このような生活が続くと日々心身ともに憔悴していったことを覚えています。

※私の手ではありませんが、今でも時々こんな感じになります。

現在では「アトピーがあるなんて思えないね」と言われるくらいには皮膚の状態が安定しているのですが、それは自分なりに試行錯誤をしてきた結果だと思います。今回は私のアトピーの体験談を一定の根拠をもとにお伝えしていきます。あくまで参考例としてお読みいただけたらと思いますが、アトピーにお悩みの方にとって何かお力になれば幸いです。

 はじめに:アトピーとの長い戦い

毎日のかゆみと赤み、ジクジクする肌の不快感…。アトピー性皮膚炎にお悩みの方なら、この苦しみがどれほどのものか痛いほどお分かりになるはずです。

たかだかかゆみだろ?我慢すれば良いじゃない。

掻いちゃダメって言ってるでしょ!掻いたらもっとひどくなるよ!!

こんな心ない言葉をかけられた方もいらっしゃるのではないでしょうか?アトピーのかゆみは虫刺されなどのかゆみとは違い、本当に耐え難いものですよね。私は朝起きて、寝ている時に無意識に掻きむしったのであろう部位から出血していて、ベッドのシーツや枕に付着した血液はがれ落ちた皮膚片を見ては誰に向けてかも分からない罪悪感に苛まれ、憂うつな状態から1日がスタートしていました。

今回はそんな私が実践して効果を感じた方法を皮膚科医の先生に医学的観点から評価していただきました。「なぜ効いたのか」という科学的な理由も含めてご紹介します。

アトピー性皮膚炎と何か?簡単に理解しましょう

アトピー性皮膚炎は、肌のバリア機能が弱くなる病気です。

正常な皮膚とアトピー性皮膚炎の比較イラスト。

健康(正常)な肌は外からの刺激や細菌から体を守る壁の役割をしていますが、アトピーではこの壁に、いわば穴が開いた状態になります。その結果、以下のようなことが起きます。

  • 外からの刺激に敏感になる
  • 肌の水分が逃げやすくなる
  • 細菌感染をしやすくなる

これが、あの耐えきれないかゆみや炎症の原因となるのです。

アトピー改善のためにやったこと5選

私の肌はこんなに綺麗ではありませんが…羨ましい。

ここからは私がアトピー改善のために主に実践した内容を5つをお伝えします。ただし、実践内容は全ての方に当てはまるわけではありません。実践した経緯や考え方、医学的な根拠も述べますのであくまで参考程度にお読みください。

対策1. 食事改善:甘いものを制限したら肌が落ち着いた

アトピーの症状(炎症)がひどくなると、妙に甘いものが欲しくなることに気づきました。

小さい頃は自分でスイーツを作っていました。

私の食事の主な変遷については過去のブログでもお伝えしましたが、実はゆるい糖質制限もおこなっておりました。タンパク質や野菜を中心とした食生活に切り替え、マクロビオティックを実践していた時から白米も玄米に変更していました。

すると肌の調子が良くなっただけでなく、慢性的な疲労感も減ったのです。この疲労感については甘いものを制限してから気が付いたもので、「ああ…こんなにも自分は疲れていたのか…」と驚いたものです。

医学的根拠:糖質とアトピーの意外な関係

甘いものの制限によるこの効果には科学的な根拠が考えられます。

  • 糖化現象の抑制: 糖質の過剰摂取は体内で「糖化」という現象を引き起こし、炎症を促進します。
  • 血糖値の安定: 急激な血糖値の上下動(血糖値スパイク)は、体の炎症反応を悪化させる可能性があります。
  • 抗炎症ホルモンの働き: 血糖値が安定すると、コルチゾールなどの抗炎症ホルモンのバランスが整います。

糖質制限食の実践ポイント:明日から始められる食事改善

  • 白米→玄米、全粒粉パンに変更。
  • おやつは果物や無糖ヨーグルトなどに。
  • 食事の順番は「野菜→タンパク質→炭水化物」の順に食べる。
  • 甘いものが食べたくなったら、ナッツ類を少量にする。

甘いものの害についてこちらのブログをお読みください。

対策2. 清潔管理:タオルの共有をやめたら肌が落ち着いた

アトピーがひどい時は家族とタオルを共有していましたが、これをやめて個人専用にしました。

これは意外と知らない方も多いかもしれません。

特に濡れたタオルの再利用はせず、必ず洗濯したものを使うようにしたところ、肌の状態が改善しました。

医学的根拠:見えない菌との闘い

医学的には、実はこれは非常に理にかなった対策です。

  • アトピー肌は細菌感染のリスクが高い。
  • 湿ったタオルは細菌の絶好の繁殖場所になる。
  • 家族間での感染症(水イボなど)の予防にも有効。

実践ポイント:タオル管理の具体策

  • 家族それぞれ色分けしたタオルを用意する。
  • 1日1回は必ず交換する。
  • タオルは日光に当てて完全に乾かす。
  • 肌の状態が悪い時は使い捨てのペーパータオルも検討する。

つまり、アトピーによってバリアが破壊された状態の皮膚で細菌感染・細菌増殖が起き、それが原因でかゆみ・炎症が生じていることがあるということです。

対策3. 保湿の正しい方法:保湿でかゆくなる謎を解決

アトピーでは保湿管理が重要とされていますが、私は入浴後に保湿をすると、かえってかゆくなる経験をしていました。

こんな笑顔で保湿できたら良かったですが、せっかくした保湿剤をかゆみに負けて何度も洗い流していました。

いろいろと試した結果、水分をしっかり拭き取ってから保湿する方法が私には合っていました。

医学的根拠:保湿の科学

保湿方法には個人差があるようです。

  • 一般的には「半乾き状態」での保湿が推奨されています。
  • 対策2でお伝えしたように、清潔なタオルの使用で細菌感染リスクを減らせます。
  • 保湿剤は「肌の水分を閉じ込める」役割をします。

実践ポイント:自分に合った保湿法を見つける

  • 自分の肌に合った保湿剤を選ぶこと(私の場合は無香料・無添加が基本)。
  • 保湿は薄く何回かに分けて塗ること。
  • 特に乾燥しやすい部位(関節など)は重点的に保湿する。

私の場合はタオルの共有が悪化要因として重なっていましたが、入浴後の保湿剤によって細菌が閉じ込められ、増殖してかゆみにつながっていたと考えられます。

対策4. 皮膚の消毒:適切な消毒で炎症が減少

感染を防ぐため、水分をしっかり拭き取った後にアルコールや希釈した次亜塩素酸水で消毒を試みました。

※これには賛否がありますのでご注意ください。

これにより、炎症が軽減したように感じました。

医学的根拠:消毒の両面性

消毒には効果と注意点があります。

  • アルコール消毒は刺激が強く、皮膚バリアをさらに破壊する可能性があります。
  • 次亜塩素酸水は適切に希釈すれば、刺激が少なく使用できます。
  • 消毒は炎症がひどい時や明らかな感染がある場合に限定すべきだとされています。

実践ポイント:安全な消毒法

  • 消毒後は必ず保湿を行うこと。
  • 肌の状態が悪化する場合はすぐに中止すること。
  • 医師に相談して適切な消毒法を確認すること。

私の場合は功を奏したことがありました(おそらく細菌感染がかゆみの原因だったため)。ただし、皮膚への刺激になることは間違いないため、万人に合う方法ではない点にご注意ください。

対策5. 入浴:ぬるめのお湯とやさしいが洗体が肌を守る

熱いお湯は気持ち良く、私は好きなのですがアトピー肌には大敵です。

負担のかけない入浴方法を心がけたいところです。

医学的根拠と実践ポイント:負担のない入浴とは

  • 適温は38〜40℃: この温度が肌のバリア機能回復に最適です。42℃以上など熱い温度では肌に負担をかけ、さらに入浴後の体温調整に負担をかけてかゆみを増すことがあります。
  • 短時間入浴: 長湯は皮膚の油分を奪ってしまうため、症状がひどい時は10分以内を目安にしていました。
  • 優しく泡で洗う: ナイロンタオルなどでゴシゴシ洗うのは肌をさらに傷つけてしまうので、石鹸をよく泡立てて手のひらで洗っていました。

かゆみに耐えられず、ゴシゴシと洗ってしまい、症状の出ている皮膚が血だらけになったこともありました。掻きむしりたい衝動に駆られますが、何とか落ち着きたいのがお風呂です。

その他の対策:他にもいろいろ

主だった対策は以上の5つですが、もちろん、その他にも基本的な対策は必要な方も多いでしょう。内容が被る点もありますが、私は以下のような点も注意していました。

アトピーにやさしい食事のコツ

食事はアトピー改善の大きなカギです。私が特にこだわったのは油の質です。

私の場合は菜食傾向の方が基本的に落ち着きました。ただし、長期間行うと糖化が進むので良くないと思います。

おすすめの食材

  • 青魚: サバ、イワシ、サンマなどのオメガ3脂肪酸が豊富な魚を選びました。
  • 発酵食品: 味噌、納豆、漬物などで腸内環境を整えます(ただし、人によってはお腹が張ったり、下痢・便秘になるので体調や排便をよく観察する)。
  • 色の濃い野菜: 緑黄色野菜はビタミンが豊富、さらに旬のものを選ぶ。
  • 良質なタンパク質: 卵、鶏肉、豆腐などで摂取しました。

あと基本的によく噛むことを意識して消化器への負担を避けました。

避けたい食品

  • 加工食品: 添加物や保存料が多く含まれます。
  • トランス脂肪酸: マーガリン、ショートニングなど。
  • 精製された糖: 白砂糖、菓子パンなど。
  • 刺激物: 辛いもの、アルコール、カフェインは体質によって注意です。

個人的な体感では「何を食べるか」よりも「何を食べないか」の方が大切なような気がします。

アトピー改善を加速させる生活習慣

私は直接肌に触れるものの素材にもこだわりました。化学繊維のものは皮膚に負担をかけ、ダメージやかゆみを生じさせる感覚があったので、綿・麻など通気性の良い天然素材を選ぶようにしました。

衣服で肌が荒れるのもアトピーの特徴かもしれません。

その他にも私の場合はヨガの瞑想などで精神の安定を図ったのも大きかったかもしれません。また、室内環境も季節によりますが温度(20〜25℃)、湿度(50〜60%)に調整すると調子が良かったように記憶しています。

ステロイド剤の使用

医学的には標準治療として推奨されているステロイド剤ですが、現在でも賛否両論あるようです。私も使用した経験があります(そして怖いくらいに効きます、最初は)。

コルチゾールとはステロイドの主な成分(ホルモン)です。

個人的には症状がどうしようもないくらいにひどい時に、皮膚と精神が落ち着かせて生活習慣を見直す機会を得るために使用しました。ただし、医学的にもステロイドをやめた際の離脱症状(リバウンド)は報告されています。これは一般にステロイド剤の使用を急激にやめた際などに起きるとされています。そのため、私の使用方法は一般的に正しくありません。

まとめ:明日から始める3ステップ

アトピー改善は一朝一夕ではありませんが、コツコツと続けることで変化が現れます。最後に改めてまとめます。

  • Step1 食生活を見直す:甘いものと白い炭水化物を減らし、タンパク質と野菜を増やしましょう。
  • Step2 清潔と保湿のルーティンを確立:個人用タオルの使用と、自分に合った保湿法を見つけて続けましょう。
  • Step3 日常生活の振り返り:入浴方法や衣服の素材などを見直してみましょう。

医師との連携を忘れずに

今回の記事でご紹介した方法はあくまで参考情報です。アトピー性皮膚炎の症状や原因は人それぞれ異なります。この記事をきっかけに、あなたのアトピー改善の旅が一歩前進することを願っていますが、重症の場合や症状が改善しない場合は、必ず信頼できる皮膚科を受診してください。

※本記事は個人の体験談と医学的見解に基づいていますが、すべての方に同じ効果があるとは限りません。体調や症状に変化がある場合は、医療機関を受診してください。

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