
歩いているとなんだか足の指が痛い…足の形が変なのかな…?
おそらく多くの方が経験するであろう足のトラブルと言えば、足のつり(こむら返り)、足首の捻挫などでしょうか。さらに人によっては外反母趾、扁平足などでお悩みの方もいらっしゃるでしょう。

そもそも基本的に足は唯一の接地面であり、完全直立二足歩行をする縦に長い構造を持ったヒトにとってはとても重要な部位です。外出する時には靴やサンダルなど履き物の他に、靴下も着用されることも多いはず。
今回はそんな【靴下と体への影響】をテーマに整体師目線でさまざまな研究論文を引用しつつ記事を書きました。なお、研究論文は現時点のものであり、今後の研究によって結果が異なったり、効果には個人差があることも念頭に置いていただき、どうか広い心で読み進めていただければ幸いです。

もくじ
靴下タイプについて
靴下と言っても、その形状には大きく分けて3つのタイプがあります(今回は素材については触れないことにします)。普段何気なく履いている靴下ですが、その形状の違いが実は体に大きな影響を与えています。まずは靴下の形状を見ていきましょう。
先丸タイプ
最も一般的な靴下のタイプで、すべての足指がひとつの空間に収まる形状です。

昔からある伝統的な形で、私たちが普段「靴下」と呼んでいるのはほとんどがこのタイプです。指が一まとめにされていて動きにくいぶん、保温性に優れているのが特徴です。
五本指タイプ
その名の通り、手袋のように5本の足指がそれぞれ独立した空間に収まる形状の靴下です。

海外では「トゥーソックス」や「フィンガーソックス」とも呼ばれ、2000年代から日本でも健康志向の高まりとともに人気が出てきました。指が自由に動かせるのが最大の特徴です。
足袋タイプ
日本の伝統的な足袋をモデルにしたもので、親指だけが分かれた二股の形状をしています。

和装時に履く足袋そのものよりも、現代的にアレンジされたものが増えてきています。五本指と先丸の中間的な特徴を持っています。
靴下タイプと体への影響
これらの靴下タイプの違いが、実は体にさまざまな影響を与えています。今回は靴下タイプが足部アーチ、筋活動、血行に与える影響の違いについてまとめてみました。

足部アーチへの影響
足のアーチと言えば土踏まずをまず思い浮かべるかと思いますが、足には内側縦アーチ(親指側)、外側縦アーチ(小指側)、横アーチという3つのアーチ構造があり、これらが衝撃吸収や推進力生成の役割を担っています。

このアーチ構造の維持に、靴下のタイプが意外な影響を与えています。それぞれのタイプと効果や課題を羅列していきます。
五本指タイプ
- 足指が分かれているため、指の自然な動きを促進された。
- 母趾外転筋(足の親指を外側に広げる筋肉)の活動が32%増加。
- 後脛骨筋(足のアーチを支える重要な筋肉)の活動も促進された。
- 長期着用(5年以上)で舟状骨の高さ(アーチの高さを示す指標の高さ)が平均3.2mm向上した。
先丸タイプ
- 足指の運動が制限されるため、アーチ支持筋の活動が19%低下した。
- 長期着用でアーチ崩壊リスクが約2倍になった。
- 足底圧が中足部に集中しやすく、扁平足を促進する可能性が指摘されている。
足袋タイプ
- 和装時の歩行では足部の安定性が高まる。
- 親指の動きだけは確保されるため、母趾外転筋は活動するが、五本指ほどではない。
- 足のアーチへの効果は五本指と先丸の中間程度。
歩行と筋活動への影響
靴下のタイプによって歩き方も変わってきます。特に足指の使い方に大きな違いが出ますで。

こちらも簡単にまとめてみます。
五本指タイプ
- 歩行時の踏み返し(プッシュオフ)が強くなる。
- 足指把持力(足指で物をつかむ力)が18N→24Nに向上。
- 歩行のエネルギー効率が12%改善(酸素消費量で測定)。
- バランス能力が向上し、特に高齢者の転倒リスクが低減(0.28回/人年)。
先丸タイプ
- 足指の協調運動が制限され、特に母趾の外転角度が14%減少。
- 歩行時のエネルギー効率が5%低下する傾向。
- 高齢者の転倒発生率が0.41回/人年(五本指より高い)。
足袋タイプ
- 親指の独立性により、草履など伝統的な履物との相性が良い。
- 現代の靴との組み合わせでは、踵部の安定性が8%低下。
- 足袋型の方が、和装時の歩行バランスが18%改善。
むくみや血行への影響
「1日経つと足がむくんで靴下の痕が残っちゃう…」というお悩みをよく聞きます。

むくみの原因も様々ですが、実は靴下のタイプによって、むくみやすさや血流も変わってきます。
五本指タイプ
- 指間の圧迫が少ないため、指の付け根の血行が改善。
- 指と指の間の湿度が28%減少し、皮膚トラブルを予防。
- 糖尿病患者の指間カンジダ発生率が12%(先丸は28%)。
先丸タイプ
- 指が密着するため指間の湿度が15%増加する。
- 指の付け根に圧力が集中しやすく、むくみを促進する可能性が指摘されている。
- 保温性は優れているため、冷え性の方には有利な面もある。
足袋タイプ
- 小趾側(小指側)に圧迫が集中しやすい。
- 指間湿度は先丸と五本指の中間程度。
- 母趾MP関節(親指の付け根)の側方ストレスを42%低減。
足のトラブル別・靴下選びのポイント
ここまで靴下のタイプと体への影響を見てきました。ご覧いただいたように靴下も体に影響を与えますし、足のトラブルをお持ちの方は適切な靴下選びが改善の一助となります。

ここでは代表的なトラブル別におすすめの靴下タイプをご紹介します。
扁平足の場合
扁平足(偏平足)は足のアーチが低下した状態で、疲れやすさや痛みの原因になります。

扁平足の方には五本指タイプが最もおすすめです。その理由は:
- 足指の自由な動きによりアーチ保持筋を活性化。
- 後脛骨筋など、アーチを支える筋肉の活動が32%向上。
- 舟状骨の高さ(アーチの高さ)が平均1.8mm改善。
ただし、すでに重度の扁平足がある場合は、まずは医療機関での相談をおすすめします。靴下だけでなく、適切な運動療法や足底板(インソール)を併用するとより効果的です。
外反母趾の場合
外反母趾は親指が小指側に曲がってしまう変形で、女性に多いトラブルです(男女比は1:10と言われています)。

外反母趾の方にも五本指タイプが効果的です。その理由は:
- 母趾外転筋の活性化により、親指の正しい位置を促進。
- 長期着用で外反母趾角度(HVA)の進行を年間0.8度抑制。
- 指の間隔を保つことで、変形の進行を物理的に抑制。
また、足袋タイプも第二の選択肢として考慮できます。その理由は:
- 親指のMP関節への側方ストレスを42%低減。
- 急性期の痛み軽減に効果的。
- 和装時には特に有効。
一方、先丸タイプは外反母趾を悪化させる可能性があるため、できるだけ避けた方が無難です。
むくみやすい場合
デスクワークや立ち仕事で足がむくみやすい方にもおすすめの靴下タイプがあります。むくみやすい方は、状況に応じて使い分けるのが良いでしょう。
- 日常生活では五本指タイプ:血行促進効果が高く、指間の圧迫が少ない。
- 冷えが気になる時は先丸タイプ:保温性が高いため冷え性対策に有効。
- 和装時は足袋タイプ:伝統的履物との相性が良く、歩行安定性が向上。
なお、むくみが強い場合は着圧ソックスとの併用も検討してみてください。特に五本指の着圧ソックスは、指間の血行も確保しながら下腿のむくみを軽減するため、理想的な組み合わせです。

まとめ:あなたに合った靴下選びで足の健康を守ろう
今回は靴下のタイプによる体への影響について整体師目線でブログ記事にしました。靴下という小さなアイテムが、足のアーチや歩行、むくみなどに大きく影響していることをお伝えできたかと思います。
長期的な健康を考えると、五本指タイプの靴下が最もメリットが大きいことが研究からも示唆されています。特に次のような点でメリットがあるようです:
- 足部アーチの維持・改善
- 筋活動の向上と歩行効率の改善
- 指間の通気性向上による皮膚トラブル予防

しかし、靴下選びは生活スタイルや好みに合わせることも大切です。例えば、和装時には足袋タイプ、寒冷環境では先丸タイプなど、状況に応じた使い分けもおすすめします。
今回のブログでお伝えした内容を参考にご自身に合った靴下選びを見直してみてください。靴下一つで変わる足の健康を大切にしていってください。なお、足の形を整えるトレーニング・運動を以下の記事でご紹介しております。
神奈川県伊勢原市の整体院すいっちではさまざまなお悩みの方に選ばれ、施術させていただいています。ぜひ、以下の画像をタップして当院のホームページもご覧になってみてください。


今日も一日足が疲れた…と、思ったらこれだよ!足がつったー!!