ここのところ様々な角度で食事の大切さについて記事にしてきています。私も自分なりに食事法を試して、痩せたり太ったりを繰り返してきています。

食事関連の記事で毎回のようにお伝えしているのは“You are what you eat.(あなたはあなたが食べたものでできている)”という諺です。個人的にはどの食事法であれ、メリット・デメリットの両方があり、長期間続けた場合はデメリットが現れやすくなると考えています。
そこで今回は私なりの病気にならないための予防食というテーマで避けたい食材・食品と取り入れたい食事法をお伝えします。なお、現代の栄養学的な観点で正しいとされている情報が含めていますが、正しさは研究結果や個人によって異なります。また、最終的には主観も入っておりますし、食の選択においては個人で最適解が異なるというのが私なりの答えです。今回の内容もあくまで参考程度にお読みいただければと思います。
もくじ
はじめに
食生活は、私たちの体と心の基礎となることはこれまでもお伝えしてきた通りです。

しかし、日々の忙しさや情報過多の中で、何を食べるべきか、何を避けるべきかを判断するのは難しいと思います。今回の記事では最新の栄養学の知見と、私の個人的な経験に基づいて考えた避けたい食材・食品と取り入れたい食事法について詳しく解説します。
避けたい食材・食品
健康的な食生活を送るためには、ある程度は避けた方が良い食品があります。ただし、致命的なアレルギー反応が起きる場合などを除き、絶対的に摂取してはいけないものはほとんどないと考えます。つまり、適度な摂取量と頻度が重要です。
精製された炭水化物・甘いもの
精製された白米や小麦粉、砂糖を多く含む食品は、消化された後に急速に吸収され、血糖値を急激に上昇させます。

血糖値の急上昇(血糖値スパイク)の後には血糖値の急降下(反応性低血糖)をも引き起こします。そして長期的に見て、以下のような問題を引き起こす可能性があります。
- 糖化反応の促進:体内でAGEs(Advanced Glycation Endproducts:終末糖化産物)という物質が形成され、「体のコゲつき」とも呼ばれる糖化反応を起こし、体を脆くさせてしマイます。
- 炎症反応の促進:透過反応の結果、脆くなった細胞や組織で炎症が起き、さまざまな疾患のリスクが上昇します。
- インスリン抵抗性の増加:インスリン抵抗性とは、血糖値を下げるホルモンであるインスリンが効きにくくなること。これによって糖尿病のリスクが高まります。
もちろん、炭水化物は三大栄養素の1つで主要なエネルギー源です。そのため、絶対的な悪であると言いたいわけではありませんが、摂取量や選択によってはデメリットが生じるのもまた事実です。この糖質・糖類の害については以下の記事でもお伝えしています。
対策:精製された炭水化物の代わりに、玄米や全粒粉のパンなど、食物繊維を多く含む複合炭水化物と呼ばれるものを選びましょう。

ただし、玄米や全粒粉のパンなど未精製の炭水化物は農薬やヒ素などの問題もつきものです。炭水化物はいわゆる主食と呼ばれ、長期に渡って摂取しやすい食材・食品です。そのため、未精製のものに切り替えたからと言って安心せず、長期的な視点で日々の体調を観察することが大切です。
過酸化脂質
高温調理された油や長時間保存された油には、過酸化脂質が含まれています。

これらは体内で「体のサビ付き」とも呼ばれる酸化反応を引き起こします。酸化反応は大雑把に言えば、上述した精製された炭水化物や甘いものによる糖化反応のように体を脆くさせます。そして長期的に見ると以下のような影響があるとされています。
- 細胞膜の損傷
- DNA損傷のリスク増加
- 慢性炎症の促進
高温調理の料理(例えば揚げ物)では小麦粉をまぶしたりするので糖質も同時に摂取しやすいです。また、調理してから時間の経ったものは酸化がどんどん進んでいきます。
対策:調理する際は中低温(蒸す・茹でる・煮る)で調理することを心がけましょう。また、新鮮な油を使用し、開封後の油は早めに使い切るようにしましょう。

そもそも高温調理のものの摂取を控えるという視点で考えれば、出来合のお惣菜などの利用も最低限にすると良いでしょう。もしくは食べるにしても出来立てを食べると良いでしょう。
アルコール
おそらく一般社会で最も認識され、なおかつ許容されている毒物の筆頭格がアルコールでしょう。

ご存知の方も多いと思いますが、アルコールの過剰摂取にはさまざまな健康リスクを伴います。
- 肝臓への負担増加
- 脳神経系への悪影響
- がんリスクの上昇
- 依存症のリスク
また、アルコールの代謝過程で出る二日酔いの原因物質とされるアセトアルデヒドも体にとっては有害な物質であり、糖化反応と同じような反応を体内で起こします。私が過去に担当させていただいた慢性的な飲酒習慣のあった患者様は、おそらく飲酒の影響で血管が細くなってしまい、肩の骨が壊死してしまいました。アルコールの害については以下の記事でもお伝えしています。
対策: アルコールは適量を守り、習慣的な飲酒は避けましょう。日本の厚生労働省のガイドラインでは、1日あたりの純アルコール摂取量を男性20g以下、女性10g以下としています。ただしご存知のように、アルコールの代謝能力(いわゆる強い・弱い)には個人差があります。強いからと言って飲み過ぎないように気をつけましょう。
添加物・人工甘味料
食品添加物や人工甘味料の中には、長期的な健康影響が十分に解明されていないものもあります。

これらの過剰摂取によって以下のような問題が起こる可能性があります。
- 腸内細菌叢のバランス崩壊
- 食欲調整機能の乱れ
- アレルギー反応の誘発
個人的な体感を含めれば、カロリーをセーブするために添加されている人工甘味料は食欲を乱したり、腸内環境を乱す(下痢・オナラなど)ように思います。食べたのに栄養が入ってこないわけですから、食欲が増すのは想像に難くないと私は思います。
対策:できるだけ自然な食材を使用し、加工食品の摂取を控えめにしましょう。食品表示をよく確認し、添加物の少ない製品を選ぶことも大切でしょう。
健康的な食生活のための推奨事項
ここからは健康的な食生活を送るために、取り入れた方が良いと考える食事法をお伝えしていきます。
適切な水分摂取
水分は体内の代謝や生命維持に不可欠です。

特に、1日1.5リットル以上の水分を摂取することが推奨されています。ただし、寒い時期は体温調節のために水分摂取量が減少しがちなので注意が必要です。
摂取方法:吸収できる限界量は1時間に200〜250mlとされているので、この量を目安にこまめに水分を摂取しましょう。また、アルコールやカフェイン、甘い飲み物は極力避けましょう。その上で、ルイボスティーや番茶などのカフェインレスの飲み物を選ぶと良いでしょう。
なお、水分に関連した記事は2つ投稿しているので、こちらのぜひお読みください。
穀物・野菜の選び方
主食となる穀物はエネルギー源に、そしてビタミンや食物繊維の摂取源となる野菜は栄養バランスの取れた食事の基礎です。

- 穀物: 玄米や全粒粉のパンを選び、地元産のものを優先しましょう。
- 野菜: 旬の野菜を選び、可能であれば有機農法で栽培されたものを選ぶと良いでしょう。
個人的には仏教の思想である身土不二(人間の身体と土地・環境は一体で、その土地の恵まれた自然を活かして暮らすという考え方)を大切にしています。関連した言葉で言えば地産地消が近いでしょうか。
タンパク質の摂取方法
体の構成要素のうち、水分を除いて最も多いのはタンパク質(protein)です。語源であるギリシャ語のproteiosは「最も大切なもの」「第一の」「主要なもの」という意味があり、このことからからもタンパク質の摂取は重要でしょう。

- タンパク質源: 卵、鳥、豚、牛、魚など多様なタンパク質源を摂取しましょう。
- 飼育法の注意: ホルモン剤や抗生物質が使われていない飼育法のものを選ぶことが望ましいです。
- 加工品を避ける: 加工食品は添加物が多いことが多いので、できるだけ避けましょう。
なお、プロテインと聞くと水や牛乳に溶かして飲む粉末のものをイメージする方も多いでしょう。

牛乳由来のホエイプロテイン、カゼインプロテイン、大豆由来のソイプロテイン、麻由来のヘンププロテインなど原料によってたくさんの種類があり、さらに飼育法や加工の方法でも分類されています。タンパク質の消化・吸収の効率を考えると良いですが、原料そのものが体に合わない場合(特に日本人は体質的に乳製品が合いにくい方が多い)や味付けとして使用されている人工甘味料や香料が合わない場合もあります。
私は1日1杯程度飲むことがありますが、牧草で育った牛由来のグラスフェッドプロテインで無香料・プレーン味(味付けなし)のものを選ぶようにしています(私の場合は味付きのものでお腹が緩くなったので人工甘味料が合わないと推測します)。
健康的な脂質の選択
体につくと邪魔くさいと感じる脂質(脂肪)ですが、本来はエネルギー源や貯蔵エネルギー、細胞膜の構成要素、ホルモンの原料などとして働くため重要です。

脂質にも種類がありますが、特に調理で使用することの多い植物性の油(基本的に常温で液体のもの)に気を配れると良いでしょう。
- オメガ3脂肪酸: オメガ3脂肪酸は炎症を落ち着かせる作用があります。ただし、酸化に弱く、高温調理に向きません。亜麻仁油やエゴマ油などをドレッシング代わりに使用し、開封後は素早く使い切りましょう。
- オメガ6脂肪酸の制限: 調理用の油で広く使用されているサラダ油やゴマ油は炎症を起こしやすくするオメガ6脂肪酸に分類されます。これらの使用は少量に抑え、代わりにオリーブオイル(オメガ9脂肪酸)などを使用すると良いでしょう。
- ナッツ類の摂取: ナッツ類にはオメガ3脂肪酸が含まれます。おやつ代わりに摂取すると良いでしょう。
他にも動物性の脂質(基本的に常温で固体のもの)にも体にとって必要なDHAやEPAといった脂肪酸が含まれています。これらは魚介類に豊富に含まれています。
調味料と添加物の注意点
調味料や添加物も健康に影響を与える可能性があります。

- 外食の避け方: 外食やコンビニ食品は添加物が多いことが多いので、できるだけ避けましょう。
- 伝統的な調味料: 味噌や醤油、塩などは伝統的な製法のものを選ぶと良いでしょう。
食事の社会的側面と楽しみ方
食事は単なる栄養摂取だけでなく、他者との交流やコミュニケーションの場でもあります。経験上、極端な食事制限は社会生活に支障をきたすことがあります(私は断食期間中に参加していた勉強会後に懇親会にそのまま行って水だけ飲んで顰蹙を買ったことがあります)。

- バランスの取れた食事: 極端な制限を避け、バランスの取れた食事を心がけましょう。
- 楽しみ方: 食事は楽しみながら行うことが重要です。家族や友人と共に食事をすることで、食事がより一層楽しくなるでしょう。
まとめ
さて、いろいろとお伝えしてきましたが、健康的な食生活は単なる栄養摂取ではなく、体と心の健康を維持するための重要な基盤です。避けた方が良い食材・食品と取り入れたい食事法を理解し、自分に合ったバランスの取れた食事を心がけてみてください。また、食事は他者との交流やコミュニケーションの場でもあることを忘れず、楽しみながら食事を楽しむことが大切です。

神奈川県伊勢原市の整体院すいっちではさまざまなお悩みの方に選ばれ、施術させていただいています。ぜひ、以下の画像をタップして当院のホームページもご覧になってみてください。
