
健康診断で異常がないから大丈夫!自覚症状もないし、私は糖尿病になんてならないわよ〜。
糖尿病は英語でDiabetes Mellitusと言います。Diabetesは「尿が常に出る」、Mellitusは「蜜のように甘い」という意味があり、「蜜のように甘い尿が常に出る」ことからこのような名前がついたそうです。しかし、冒頭のおじさんのように「おしっこに糖が出るんだろ?」くらいの認識でいる方も多く、糖尿病の怖さはあまり知られていないように思います。
今回は整体師目線で糖尿病の怖さについてをブログ記事にしました。なお、あくまで一般論をベースとし、私なりに「分かりやすく」を意識してまとめたため、造詣の深い方や医療従事者や専門家の方からはツッコミ所もあるかとは思いますが、どうか広い心で読み進めていただければ幸いです。なお、今回は私の動画をベースにした内容になっております。
もくじ
糖尿病は「サイレントキラー」
糖尿病はサイレントキラー(静かなる殺人者)と呼ばれ、様々な病気の悪化や重症化の要因となる重大な基礎疾患の一つです。
私が過去に担当させていただいた患者さんの中には、糖尿病による深刻な合併症に苦しむ方が少なくありません。例えば、失明してしまった方、膝から下や足指の切断を余儀なくされた方、腎不全で人工透析が必要になった方、さらには骨が腐ってしまう骨壊死で人工関節置換手術を受けた方など、その症例は多岐にわたります。骨壊死の患者さんはお酒が原因と思われましたが、この患者さんとのエピソードは現在でも年に1回は夢に出てくるほど印象深いものでスノで、こちらの記事でもご紹介しております。
糖尿病の基礎知識
糖尿病は、血糖値やヘモグロビンA1c(HbA1c )が慢性的に基準値を超えて高い状態が続く疾患です。尿から糖が出ることから「糖尿病」という名称がついていますが、実態としては高血糖症と捉えることもできます。

1型糖尿病と2型糖尿病の違い
糖尿病は大きく分けて2種類あります。
全体の5~10%を占める1型糖尿病は、主に先天性や自己免疫性の要因で発症します。
一方、全体の90~95%を占める2型糖尿病は、遺伝要因と環境要因が組み合わさって発症します。特にこの2型糖尿病は、食習慣や運動習慣といった生活習慣が重要な予防法・改善法となります。
3大合併症
糖尿病の怖さは、その合併症にあります。特に注意すべき3大合併症について説明します。
腎症

腎臓の機能が低下し、初期症状としてはむくみが出現します。進行すると腎不全となり、週3回程度の人工透析が必要になることも。透析をした日の疲労感は動けないくらいに強くなる人もおり、日常生活に大きな支障をきたします。
網膜症

目のかすみや乾燥から始まり、徐々に視力が低下していきます。最悪の場合、失明に至ることもあります。
神経障害
手足の先端のしびれや感覚低下から始まり、最終的には感覚がなくなってしまう方もいらっしゃいます。自律神経にも影響が出てくるので便秘、立ちくらみ、男性の性機能障害なども引き起こす可能性があります。
その他の合併症
3大合併症の根本的な問題は、糖尿病の背景にある高血糖により血管が損傷することです。これによって以下のような合併症も生じ得ます。
- 足の壊死による切断
- 脳梗塞
- 心筋梗塞
- アルツハイマー型認知症(近年ではアルツハイマー型認知症=3型糖尿病という仮説があり、糖尿病が認知症のリスク因子の1つとして挙げられています)
これらの深刻な合併症を引き起こす可能性があります。

本ブログでは見るに耐える画像を使用していますが、覚悟を決めて「糖尿病 切断」や「糖尿病 壊死」などで画像検索をすると恐ろしい実態を見ることができます。
高血糖がもたらす影響
糖尿病による高血糖状態が続くと、体内で糖化(Glycation)という現象が起こります。ご存知の通り、糖は体内のエネルギー源の1つとして重要ではありますが、一方で反応性が高いという特徴があり、余った糖は体内のタンパク質や脂質と結合しやすい物質でもあります。この結果として:
- 血管など細胞・組織の損傷
- 関節疾患の悪化(変形性関節症の一因ともされています)
- 皮膚のくすみ・たるみ・乾燥・炎症(甘いものを食べ過ぎてニキビができるのもこの1つ)
- アトピーなどの皮膚疾患の悪化
- 傷の治りが遅くなる
といった問題が発生します。このから全身の痛みやしびれ、冷えにも影響しますし、さらには免疫機能にも問題が生じてしまいます。
免疫機能低下のメカニズム
免疫細胞もタンパク質や脂質で構成されているため、糖化の影響を受けます。その結果、免疫細胞が正常に機能せず、免疫機能低下を引き起こします。これにより:
- 感染症にかかりやすくなる
- 一度かかると重症化しやすい
- 治癒に時間がかかる
といった問題が生じるます。
これはコロナ禍でも「(糖尿病などの)基礎疾患のある方は重症化しやすく…」という言葉を聞いたことがあると思いますが、このようなメカニズムで感染症に対する抵抗力が低下してしまうの原因だということがお分かりいただけると思います。また、手術が必要になって入院しても糖尿病が原因で手術ができない方がいます。これもまた手術痕の治りが悪かったり、術後の感染症のリスクがあるためです。
実体験:高血糖による症状
私は現在のところ糖尿病ではないのですが、恥ずかしながら高血糖による体に生じた異常に関する実体験をお伝えさせていただきます。
2020年3月、父の死をきっかけに精神的に不安定になった時期がありました。その際、普段は控えめているお菓子の摂取が急激に増加しました(カントリーマアムを1日10~20枚も食べる日が続きました)。その結果、左鎖骨部分と背中に、今までに経験したことのない大きなニキビが発生し、特に鎖骨部分のニキビは重症化し、現在もわずかに跡が残っています。

このように、糖化の影響は人それぞれ異なる形で現れます。私の場合は皮膚症状として顕著に現れましたが、多くの場合、目に見えない形・気づかない形で体内の損傷が進行していきます。これこそが糖尿病がサイレントキラーと呼ばれる所以です。
糖尿病の原因と予防
今回は生活習慣によって発症するとされる2型糖尿病の主な原因は以下のようなものが挙げられます。
- 喫煙
- 過度の糖質摂取
- 不規則な食生活
- 運動不足
- 睡眠の質の低下
- ストレス

このことから生活習慣の見直しが中心になりますので、以下のような習慣が日常的にあれば見直すことが重要となります:
- 不規則な睡眠
- 甘いものの過剰摂取
- 白米などの精製炭水化物の多量摂取
- ドカ食い
- 空腹感に関係なく時間で食事をする習慣
- 間食の習慣
- 運動不足
改善のための段階的なアプローチ

人間の体の基本的な仕組みとして、「体の状態を一定範囲内に保つ(Homeostasis:生体恒常性)」というものがあります。。そのため、急激な生活習慣の変更は、かえって心身に負担をかけ、継続が困難になります。このことから(大いに主観を含みますが)、以下の順序での改善をお勧めします:
- 睡眠の改善
- 睡眠時間の確保
- 睡眠の質の向上
- 食事の改善
- 空腹時の適切な食事
- よく噛んで食べる習慣
- 一口ごとに箸を置く
- 運動の導入
- ウォーキングから開始
- 軽いスクワット
- 無理のない範囲での継続
以上はあくまで例ですので、参考にしていただければ幸いです。①②を同時並行で行い、体力的に余裕ができてきたら③を始めるのが良いかな、と個人的には思います。
継続可能な習慣づくり
最も重要なのは、なぜ高血糖を招く行動をしてしまうのかを理解することです。例えば:
- 本当に空腹なのか(血糖値が下がるだけでも空腹感を感じます)
- テレビCMや広告の影響で食べたくなっているだけではないか
- ストレス解消として食べていないか
といった自己観察が大切です(私の場合はストレスで食べていました)。意外と空腹を感じても数十分放っておくと落ち着くので、それは“真の空腹”ではないのです。
まとめ&オススメのYouTube動画
糖尿病はサイレントキラーと呼ばれる怖い病気ですが、適切な予防と管理により、その発症や進行を防ぐことができます。日々の小さな心がけが、将来の大きな健康被害を防ぐ鍵となります。何より、自分の体は自分にしか守れません。この記事を読んでくださった方々には、ぜひとも糖尿病の怖さを理解していただき、予防のための行動を今日から始めていただければと思います。
また、以下は「糖尿病の不都合な真実」というYouTubeで公開されている糖尿病の実態を描いた動画(短編映画)です。糖尿病を患っている方も出演されているので、実体験を聞くこともできます。
今回のブログを通して、糖尿病が単なる「尿に糖が出る病気」や「血糖値が高い病気」ではなく、全身に深刻な影響を及ぼす「サイレントキラー」であることをご理解いただけたのではないでしょうか。そして最後に強調したいのは、糖尿病の予防と管理には「完璧」な方法はないということです。急激な生活習慣の改善や極端な食事制限は、かえって継続を困難にします。まずは自分の心身の状態をよく観察し、できることから少しずつ始めることが、健康な生活への最短距離となるのではないでしょうか。この記事が、皆様の健康管理の一助となり、糖尿病予防への具体的なアクションのきっかけとなれば幸いです。
神奈川県伊勢原市の整体院すいっちではさまざまなお悩みの方に選ばれ、施術させていただいています。ぜひ、以下の画像をタップして当院のホームページもご覧になってみてください。

糖尿病って尿に糖が出るんだろ?ワシはそんな状態じゃないから糖尿病じゃないはずだ!