
ちょっとお待ちください。五十肩は「そのうち良くなる」とは言われますが、実は1年も2年も苦しまれている方もいるんですよ。

えっ!そうなんですか?じゃあ、どうやったらスムーズに良くなるのか教えてください!

お任せください。五十肩は長期戦になりやすい疾患ですが、状態の変化に合わせて適切に対処すれば基本的に1年もあれば改善に向かいます。今回は基礎知識として五十肩がどんな経過を辿るのか、どんなことをやっていけば良いのかをお伝えします。ちなみに「五十肩とは何か?」「五十肩になりやすい人の特徴」など基本的なことは以下の関連記事でもお伝えしているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
もくじ
五十肩改善には現状把握と対処がとても大切

冒頭の会話劇で五十肩は①長期戦になりやすいこと、②状態の変化に合わせて適切な対処をすれば良くなっていくことをお伝えしました。
つまり、現状の把握と適切な対処が鍵になります。
残念ながら病院やさまざまな治療院に行っても良くならなかったり、ネットでみたストレッチを無理に試したり、巷で噂の「放っておく」をしてかえって悪化してしまったりしている方も多くいらっしゃいます。
このブログ記事は五十肩改善に向けて①現状を把握する目安、②現状に合わせた対策を知っていただくことを目的として作成いたしました。
長めの記事になりますが、一緒に五十肩について学んでいきましょう。
この後に文章を書き起こしておりますが、同じような内容を下記の動画でもお伝えしています。動画でも文章でもお好きな方をご覧ください(動画は14分程度、長めです)。
五十肩は3つの病期に分けられる
五十肩は発症からの完治までを3つの病期に分けることができます(論文によりけりで4つに分ける場合もありますが、今回は3つの病期に分けてお伝えしていきます)。
五十肩の病期は①炎症期、②拘縮期(慢性期)、③回復期に分けられます。
この3つの病期ごとの期間や特徴、対策について順番にみていきましょう。
炎症期 Freezing phase

炎症期の期間と特徴、よくあるお悩み
文字通り炎症が起きている時期であり、炎症による痛みのピークとも言える時期です。炎症期はおおむね発症から2週間程度続くと言われています。
この時期には肩の組織が傷ついて炎症が盛んになっている段階であり、まだ組織が硬くなっていないため、無理をすれば動かすことができます。ただし、無理をして動かすと炎症が強く起きてしまうため、炎症期が2週間以上継続してしまうことがあります(論文によっては6ヶ月続くと報告しているものもあります)。
しかし、そもそも五十肩の発症日は曖昧で、日常で感じていた違和感が徐々に痛みに変わり、耐えられなくなっていくことが多いです。発症から2週間と言うのはあくまで目安として捉えた方が良いと私は考えています。
個人的な経験則ではありますが、痛みが本格化してから長くても1ヶ月〜1ヶ月半もすれば痛みのピークは落ち着くことが多いですが、それ以上期間が経過しても痛みが落ち着かない場合は①肩に負担をかけている(不良姿勢や無理なストレッチ)、②肩の組織の損傷がかなりひどい、③全身の栄養状態が悪い、④糖尿病などの基礎疾患があるなどの問題が絡んでいることが多いです。
また、炎症期では痛みが強すぎるために可動域制限が生じていることが多く、また安静時や就寝時にも痛みが生じます。そのため炎症期でよくあるお悩みとして以下のものが挙げられます。

夜や明け方に痛みがあって起きてしまう、眠れない…。

肩を動かしたふとした瞬間に激痛が走ってうずくまってしまう…

痛みがひどすぎて動かすことなんてムリです!
炎症期の対策
この時期は炎症が強いため、前述したように積極的に肩を動かすことは勧められません。積極的に動かすことでかえって炎症を強め、回復に時間をかけてしまうこともあります。
そのため肩関節は安静にし、肩関節に負担をかけないような姿勢の改善を目的とした施術やエクササイズを行うことをオススメしています。また、就寝時や明け方の痛み(夜間痛)も生じる時期でもあるため、就寝時の肩の保護を目的とした工夫を行う時期でもあります。
また、病院では痛み止めの注射(ステロイド注射)を行うこともあり、痛みに対して劇的に効くこともありますが実は注意が必要です。このような注射で炎症を抑えることができると痛みも引きますが、炎症が抑えられてても組織の修復そのものが終わっているわけではありません。
そのため、「痛みがなくなった=治った」と思って肩を動かすと、中身は傷ついた組織が残っていて強度が不足しており、また傷口が開くようになって再度炎症が起きることがあります。
痛みがない=治ったではないことは覚えておいていただくと良いと思います。
炎症期の対策としては以下のようものがあります。詳しくは後日記事にしていきますが、ご興味がある方は動画をご覧ください。
炎症期の対策 例1.姿勢の改善
炎症期の対策 例2.寝る時の工夫
拘縮期(慢性的) Frozen phase

拘縮期(慢性期)の期間と特徴、よくあるお悩み
拘縮期(慢性期)は炎症期がどれだけ続くかによりますが、炎症期を経ておおむね発症から6ヶ月程度まで続くと言われています。
拘縮期(慢性期)の対策
拘縮期の対策 例1.肩周りの筋肉のほぐし方
拘縮期の対策 例2.肩の上の筋肉のほぐし方
回復期 Recovery phase

回復期の期間と特徴、よくあるお悩み
拘縮期を経て回復期に移行するのは発症から6ヶ月〜1、2年続くと言われています。
回復期になると痛みはほとんどなくなり、硬くなった組織を積極的にストレッチしたり、筋力低下を起こした筋肉を鍛えていって可動域制限を解消していく時期になります。痛みから解放されていくので、精神的にも落ち着いてくる方が多いです。
個人的な経験をお話すると、これまでの炎症期・回復期に適切な対応ができていれば速やかに回復期に以降し、発症から6ヶ月〜10ヶ月程度で完治または日常生活で支障がないレベルまで改善されることが多い印象です(もちろん、個人差がありますが…)。

あともう一息動いてくれれば問題がなくなる感じがします!

せっかくだから反対側と同じくらいまで動かしたい!
回復期の対策
拘縮期から引き続き肩の可動域を広げていきますが、必要に応じてストレッチや筋トレを行うことが中心になってきます。回復期になると組織も十分な強度になってきているので、余程無理をしない限りは痛みが増悪することはありません。
唯一注意点をあげるとすれば、関節可動域は左右差がないくらいまで改善した方が良いでしょう。
「生活で困らないから…」という理由で可動域制限が残ったままにしておくと、わずかな可動域制限のために体に負担がかかり、最悪の場合は五十肩の再発ということもありえます。しっかりと最後まで肩の状態を整えられることをオススメします。
回復期の対策としては以下のようものがありますので、ぜひご覧ください。
回復期の対策 例1.新聞紙を使ったストレッチ
回復期の対策 例2.ペットボトルを使った筋トレ
参考サイト
五十肩(凍結肩)とは?なりやすい人の特徴と主な症状、糖尿病・更年期との関係
まとめ

長くなってしまいましたが、五十肩改善に向けたおおまかな流れや対策は伝わったでしょうか?
もちろん、ひと言で五十肩と言っても個人個人で状態が異なるますので、その都度行う対策も異なってくることがあります。また、以前投稿した記事でもお伝えしたように速やかな改善には栄養状態などもとても大切になってきます(以下の関連記事をお読みください)。
しかし、基本的には今回ご紹介したように病期に合わせた対策を適切に行えば、五十肩は速やかに完治に向かう病気です。ぜひ、今回のブログ記事を何度も見返していただき、ご自身の現状の把握と対応について見直してみてください。
伊勢原市の整体院すいっちでは四十肩・五十肩にお悩みの方に選ばれ、施術させていただいています。ぜひ、以下の画像をタップしてホームページもご覧になってみてください。

いてて…。肩が動かないし、痛みで夜も眠れない…。これが噂の五十肩ってやつなのかな?放っておけば良くなるって聞くけど…。