【四十肩・五十肩の治し方】改善・再発予防にも肩甲骨が重要!

肩痛子さん

五十肩になって長いけど、肩こりもあるのよね…。

宮森

五十肩と肩こりは必ずしも関連するわけではないですが、共通するある筋肉にトラブルを生じていることがありますよ!

肩痛子さん

え?!それってどんな筋肉ですか?どっちも良くしたいので教えてください!

宮森

もちろんです!実は聞き馴染みのある筋肉だと思いますが、この機会にぜひセルフケアに加えてみてください!

四十肩・五十肩を治すための基礎知識(まずお読みください)

以前のブログ(【四十肩・五十肩】痛む場所は肩だけ?腕も痛いのはなぜ?)でもお伝えしたように、四十肩・五十肩は何らかのきっかけで肩関節の組織が傷つき、その傷の修復を行うべく起きる炎症を本態とする病気です。炎症が起きている間に生じる強い痛みやそれに伴う可動域制限、また炎症後には組織がカサブタのように硬くなってしまうことによる可動域制限などが生じます。

また炎症による痛みが生じると関節がずれないように(傷口がそれ以上広がらないように)筋肉が強く収縮し、炎症が治った後も収縮が持続してしまうことがあります。この筋肉の持続的な収縮は血行障害や神経の挟み込みなどを引き起こし、二次的・三次的な痛みや可動域制限を生じさせます。ここまでのお話は以下の関連記事にて詳しくお伝えしています。

こういった知識を前提とし、今回は四十肩・五十肩の治し方として姿勢の重要性・改善法をお伝えしていきます。

肩甲骨は肩関節の“土台”

これまでも四十肩・五十肩の治し方として筋肉のケアや姿勢の重要性などをご紹介してきました。

肩関節のインナーマッスルである回旋筋腱板かいせんきんけんばんRotator Cuffローテーターカフとも呼ばれ、棘上筋きょくじょうきん棘下筋きょくかきん小円筋しょうえんきん肩甲下筋けんこうかきん、時に大円筋だいえんきんを含まれる)はすべて肩甲骨から上腕骨に付着します。そのため、肩甲骨が安定していることが肩関節の安定にもつながります。

このようなことから、肩甲骨は肩関節の“土台”とも呼ばれています。

なお、回旋筋腱板を構成する筋肉のケアについては下記の関連記事をご参照ください。

肩甲骨の動き

肩関節の土台である肩甲骨ですが(名前がついているだけで)17個の筋肉が付着しています。このことから「筋肉の海を泳いでいる」とも言われる肩甲骨ですが、実にさまざまな動きをします。このブログをお読み方が肩甲骨の動きと名称をすべて覚える必要はないと思いますが、参考まで挙げておきます。

左は右肩甲骨を後ろから見た図、右は右肩甲骨を外側から見た図。図はVISIBLE BODY®︎ HUMAN ANATOMY ATLASより。

挙上きょじょう(肩をすくめる動き:赤矢印)、②下制かせい(肩を下ろす動き:青矢印)、③外転がいてん(背骨から離す動き:緑矢印)、④内転ないてん(背骨に近付ける動き:オレンジ矢印)、⑤上方回旋じょうほうかいせん(肩関節が上を向く動き:臙脂矢印)、⑥下方回旋かほうかいせん(肩関節が下を向く動き:紫矢印)、⑦前傾ぜんけい(前方に傾く動き :白矢印)、⑧後傾こうけい(後方に傾く動き:黒矢印)

そしてこれらの動きは肩甲骨単独で生じるのでなく、姿勢の影響を大きく受けます。

五十肩で問題になりやすい肩甲骨の動き

以前のブログ記事【四十肩・五十肩の治し方】改善・再発予防にも姿勢が重要! 〜猫背を中心に〜でお伝えしたように、四十肩・五十肩にお悩みの方は猫背であることが多いです。

猫背になると肩甲骨の位置は挙上・外転・上方回旋した(肩がすくみ、背骨から離れた)ポジションになりやすいです。実はこのポジションで肩甲骨が固定されてしまうと結果的に肩関節の動きに制限がかかってしまいます。

例えば、四十肩・五十肩におけるお悩みの1つとして「肩が上がらない」という問題がありますが肩を上げ切るには背骨がしっかり伸びることが必要になりますが、この時に肩甲骨は挙上・内転・上方回旋します。

肩(腕)を上げる屈曲では背骨がしっかり伸び、肩甲骨が挙上・内転・下方回旋することが重要です、。

猫背で生じやすい肩甲骨の動きとして挙上・上方回旋については共通ですが、しっかりと内転の動き(背骨に寄る動き)が出ないと肩はスムーズに上げることができません。

そのため、四十肩・五十肩を治すには肩甲骨の動きを促し、さらに背骨の動きも重要になるので猫背改善の過去記事もぜひ参考にしてください。

肩甲骨の内転を行う筋肉 〜僧帽筋を中心に〜

肩甲骨の内転を行う筋肉は僧帽筋そうぼうきん(特に中部線維)大菱形筋だいりょうけいきん小菱形筋しょうりょうけいきん肩甲挙筋けんこうきょきんが挙げられますが、今回はこの中でも重要な役割を果たす僧帽筋をご紹介します。ちなみに僧帽筋は肩こり筋としても有名なので聞いたことがあるかもしれません。最もコリが生じやすい筋肉の1つでもあります。

左僧帽筋を水色で強調しています。図はVISIBLE BODY®︎ HUMAN ANATOMY ATLASより。

僧帽筋は人体の中でも大きな筋肉で体表面にあるため、かなり目立ちます。付着部とその役割(働き)によって大きく3つの部位に分けられます。頭と首(頚椎)から鎖骨に付着する上部線維は鎖骨・肩甲骨の挙上を行い、背骨(胸椎)の上部から肩甲骨に付着する中部線維は肩甲骨の内転を、背骨の下部から肩甲骨に付着する下部線維は肩甲骨の上方回旋を主に行います。実は僧帽筋は鎖骨・肩甲骨に作用するだけでなく、全体を通しては背骨を伸ばす働きもしたりします。

つまり、肩を上げる時にはいかに僧帽筋を上手に使えるかが重要であり、尚且つ肩甲骨を安定させるために背筋を伸ばしておくためには重要な筋肉なのです。

四十肩・五十肩の治し方 僧帽筋を使い切る!

手前味噌ですが僧帽筋を効率的に使うための動画をYouTubeにアップしています。今回は動画と切り抜き画像でいくつかご紹介していきます。

①頭の後ろで手を組んで行う運動

頭の後ろで手を組み、肩甲骨同士を寄せることで僧帽筋の中部・下部線維の働きを促していく方法です。

手順や注意点に気をつけながら行うようにしてください。

②手を伸ばして肩甲骨だけを動かす運動

こちらの動画では3つの運動をレベル別にご紹介しています。当該部分は3分30

肩(腕)を上げ、肩甲骨を背骨に引き寄せる運動を行います。下記の画像を参考にしても良いです。

肩を上げ、背骨に近付ける運動を行います。
しっかりと肩甲骨を引く(背骨に近付ける)ようにします。
肘を曲げないように注意して行います。

基本的にはこれまでご紹介した①や②ができれば良いと思います。

③四つばい姿勢で行う運動(高強度)

②と同じ動画ですが当該部分は4分20秒くらいから。

四つばい姿勢で行う運動です。①②と比べると強度が高いですが、背骨や肋骨の柔軟性を促すこともできるのでおすすめです。左右3回ずつくらいを目安に行うと良いでしょう。

この姿勢の段階できつい場合はこの先はやらないでください。
視線は常に親指の先端を見て、体をひねりながら肩甲骨を背骨に寄せていきます。

この方法は四十肩・五十肩を良くする中では最終的に行う方法でもありますし、野球やバレーボールなど腕を上から下に振り下ろすようなスポーツをやっている方にもおすすめです。

本日のまとめ:肩甲骨はめちゃくちゃ重要!

今回は四十肩・五十肩の治し方をテーマにして肩甲骨の重要性とその動きの改善法についてお伝えしていきました。

これまでは四十肩・五十肩においてトラブルを起こしやすい筋肉のセルフケアを中心にお伝えしてきたのですが、いくら筋肉が柔軟になっても悪い姿勢であったり、肩関節に負担をかけ続ければ四十肩・五十肩の再発の可能性が高まってしまいます。

この機会に姿勢についても見直していただき、肩関節への負担を減らす肩甲骨の動きの獲得を目指してみてください!

今後も四十肩・五十肩において問題の起こしやすい筋肉を取り上げながら、その検査やセルフケアの方法をご紹介していきます。今回のブログ記事も四十肩・五十肩の改善につながれば幸いです。

神奈川県伊勢原市の整体院すいっちでは四十肩・五十肩にお悩みの方に選ばれ、施術させていただいています。ぜひ、以下の画像をタップして当院のホームページもご覧になってみてください。

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