四十肩・五十肩が長引いて治らない原因とは?

肩痛子さん

うーん…五十肩が良くならないな…もうかれこれ半年は痛いんだけど、本当に良くなるのかな…。

宮森

五十肩は長期戦になりやすいのですが…半年経って痛みも可動域も変わらないとしたら、何か悪化させる原因が生活の中にあって長引いてしまっているのかもしれませんね。

肩痛子さん

自分なりに動かしたりしてはいるんですが…五十肩が治らないと困るのでいろいろ教えてください!

宮森

はい!これまでにお伝えしてきたことも復習しつつ、また新しい視点で五十肩が長引いて治らない原因をお伝えしていきますね!

長引いて治らない原因はさまざま

これまでのブログでもお伝えしてきたのですが、四十肩・五十肩は正式な病名ではなく、医療機関では肩関節周囲炎かたかんせつしゅういえんと診断されることが多く、名前の通り肩関節に起きる炎症を本態とする病気です。さらに炎症に加えて筋肉の緊張などから血行障害や神経の挟み込みなどによる二次的、三次的な痛みが積み重なっています。

そして炎症が治らない・長引いてしまう原因、筋肉の緊張が元に戻らない原因の1つとして食事が大きく関わっていることも以前にブログでご紹介しました。

四十肩・五十肩において食事に意識を向けることはとても大切ですが、今回はさらにさまざまな視点で改善に向けて意識できるポイントをご紹介していきます。当てはまるものも当てはまらないものもあるかと思いますが、何か取り組めそうなものがあれば試してみてください。

日常生活や仕事の環境

環境と言ってもさまざまな意味がありますが、家や仕事場などの環境下において良い姿勢でいられるかが大切になると考えます。

しかし、四十肩・五十肩でそもそも激痛がある場合は良い姿勢を取ること自体が難しい場合もあると思います。そこで今回はいくつか具体例と対策法の例を挙げつつご紹介していきます。

家具(椅子・パソコンなど)

家や仕事場で椅子に座る際に肘置き(アームレスト)は適切な位置にありますでしょうか。もしかしたら肘置きのない椅子を使用していることもあると思います。

四十肩・五十肩の激痛のある時期(炎症期)では腕の重みで痛みが出ていることもあります。この場合は太ももの上にクッションやバスタオルなどで腕の重みを受け止められるような環境を設定してみると功を奏することがあります。

また、椅子の高さが低すぎたり(股関節が70〜90度よりも深く曲がった状態)、パソコンの画面が目線よりも下にあるとどうしても猫背になりがちです。猫背になると肩甲骨の位置がずれて、結果的に肩関節が不安定になってしまって痛みにつながっていることもあります。

環境によっては変えるのが難しいかもしれませんが、椅子の高さを変えたり、クッションなどを敷いて高さを調整したり、パソコンやモニターの位置自体を変えるのがおすすめです。

就寝時の家具など

四十肩・五十肩では就寝時や明け方の痛み(夜間痛)にお悩みの方は多いと思います。

以前のブログで痛みを出にくくする腕や首のポジションについてお伝えしているので、詳しくはそちらのブログをご覧ください。

これらの腕や首のポジショニングに加えて、なるべく熟睡できる環境を整えることも大切です。

例えばご自身にとって室内を心地の良い温度に調整してみるのも良いです。また、寝る前30分はスマホやTVなど明るい環境にいることを避けたり、物音などに敏感な方は耳栓をしてみたりすると睡眠の質が改善されることもあります。

衣服

四十肩・五十肩では着替えが大変になるので自ら締めつけのきつい衣服を着ている方は少ないと思いますが、特定の部位であっても持続的な締めつけや圧迫は局所的な血流障害を生じさせ、痛みの悪化などにつながります。

よくある例としては下着、重たいバッグやリュックサックなどで肩や肩甲骨周りを圧迫してしまっていて、血流障害から痛みや可動域制限を起こしていることがあります。四十肩・五十肩が改善に至るまでは、できる範囲で衣服もゆるめのものを選んだりすると良いと思います。

医学的な問題の有無

四十肩・五十肩の発症年齢を考えますと、他の部位の医学的な問題が起きている可能性も否定できません。体は全部つながっているので一見関係なさそうなことが四十肩・五十肩の回復を妨げていることもあります。

ケガ

「これが噂に聞く五十肩か…」と自己診断してしまっている場合、いざ医療機関を受診してみると違う病気だった、ということがあります。

肩関節の関連疾患で言うとインナーマッスルのケガである腱板損傷けんばんそんしょう腱板断裂けんばんだんれつなどが挙げられます。腱板断裂けんばんだんれつは悪化すると手術適応にもなるので医療機関で一度しっかり診察を受けて現状を把握することは大切だと思います。

骨格の異常

四十肩・五十肩の好発年齢を考えると背骨などの骨格に問題が生じていることもあります。

背骨自体の変形や、背骨と背骨の間にあるクッションの役割を果たす椎間板ついかんばんの変性から肩周りの筋肉に問題が生じることもあります。また、先天的・後天的に関わらず骨格の左右差があることによって肩関節に負担をかけていることもあります。

肩以外に症状がある場合は医療機関でその旨を伝えて現状把握をすると良いでしょう。

精神的要因

精神的要因は症状の正確な検査や病態の把握が難しいのですが、痛みがあるだけでも抑うつ傾向になるのがヒトという生き物です。そして抑うつ傾向が続くと痛みも悪化しやすい傾向にあります。

例え病的な状態ではなくとも、ストレスを抱えているだけでも体の一部は緊張しやすくなりますので、緊張した部位は血流障害を起こして痛みを生じやすくなります。特に肩は「肩を怒らせる」「肩を落とす」「肩で風を切る」などのように感情が出やすい部位でもありますので、精神面の影響を大きく出る印象があります。

感染症やアレルギー

感染症やアレルギーと言ってもさまざまですが、例えば風邪や花粉症などの呼吸に問題が出る病気を発症した場合、肋骨に付着する筋肉が緊張しやすくなります。

肋骨に付着する筋肉の中には肩甲骨や肩の骨に付着する筋肉もあるため、感染症やアレルギーをきっかけにこれらの筋肉が緊張してしまって肩の痛みや可動域制限をもたらしていることもあります。

代謝の障害(糖尿病など)

糖尿病などの病気を抱えている方は代謝(体の組織の入れ替わり)に問題があるため、炎症が治りにくかったり筋肉がつきにくかったりすることで回復が遅くなってしまいます。

いわゆる内科的な病気がある場合は回復が遅くなることを前提とし、改善が期待できる場合は食事などにも気を配っていくことが大切になります。

今回の参考書籍

Valerie DeLaune 著, 伊藤和憲 監訳(2015). トリガーポイント治療 セルフケアのメソッド 株式会社緑書房

本日のまとめ:多角的な視点で取り組みましょう!

今回は四十肩・五十肩が長引いて治らない原因について日常生活や仕事の見直し、医学的な問題などがないかについて書いてきました。

体は全部つながっていて四十肩・五十肩の問題はあくまで結果として生じていることが多いです。しっかりと改善していくには多角的な視点と取り組みが大切になってきます。

今回のブログ記事の内容には自分でどうにかできること、誰かの力を借りないと難しいこともあったかと思いますが、自分でやってみて結果が出ない場合は専門家の力を借りるのが早いと思います。

神奈川県伊勢原市の整体院すいっちでは四十肩・五十肩にお悩みの方に選ばれ、施術させていただいています。ぜひ、以下の画像をタップして当院のホームページもご覧になってみてください。

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