
五十肩の痛みは耐えられないくらい痛いですよね…しかも痛みの原因も複数あることもザラなんです。かと言って無理やり動かすと悪化することもあるので、今回は肩に触らないで痛みが解消できる方法をご紹介したいと思います!

そんな方法があるんですか?!今すぐ教えてください!もう痛みに耐えられません…。

分かりました!では今回は四十肩・五十肩の痛みに即効性のあるポイントとほぐし方をご紹介していきます。ただし、注意点もあるので焦らずゆっくりと読み進めてください。
もくじ
肩の激痛にお悩みのあなたへ

四十肩・五十肩のお悩みは多岐に渡りますが、中でも激しい痛みは耐え難いものだと思います。
以前のブログ記事でもお伝えしたように、四十肩・五十肩の痛みは肩関節周囲の炎症によるものに加え、炎症後に硬くなった筋肉などの組織が伸びにくくなることによる痛みや、血行不良や神経の挟み込みによる痛みなど二次的、三次的な痛みが積み重なって生じていることが多いです。
また、四十肩・五十肩を発症して間もない炎症期においては炎症反応(傷ついてしまった組織の修復反応)による痛みが主になります。この痛みは炎症が治らない限りはゼロにはできませんし、炎症期には肩関節を動かしていくようなアプローチをするとかえって傷口が開いてしまうように悪化することも考えられるため、医療機関(主に整形外科)にて炎症を抑える目的での注射や薬を処方されることが多いです。また、肩関節が不安定になっている場合はテーピングなどで安定化を図ることもあります。
しかし、先ほどお伝えしたように四十肩・五十肩の痛みにおいては二次的、三次的な痛みが生じていることが多いです。今回のブログ記事ではその二次的、三次的な痛みを解消してくための即効性のあるポイントを痛みのある部位別にご紹介していきます。
ほぐす際の注意点について
肩の激痛に即効性のあるポイントをご紹介する前に、あともう少しだけお付き合いください。
四十肩・五十肩の痛みでは緊張した筋肉による血行不良や神経の挟み込みによる二次的、三次的な痛みが積み重なって生じているということをお伝えしました。今回は四十肩・五十肩において神経の挟み込みが生じやすいポイントとそのほぐし方を厳選してお伝えしていきます。
今回は痛みの出る部位を「肩や二の腕の後ろ側・外側」と「肩や二の腕、前腕の前側」の2つに大きく分けました。読み進めていただきながらご自身の痛みの出ている部位に合わせてセルフケアをお試しください。
なお、セルフケア(ほぐし)をやる際の注意点を以下に挙げておきますので必ず目を通しておいてください。
上3つの注意点は量や回数、力の強さについての注意点です。「過ぎたるは猶及ばざるが如し」です。焦ってたくさんやってしまうとかえって痛めてしまうこともあります。大切なことなので3回書いておきました。
最後の注意点についてですが、血管・神経の挟み込みは複数箇所で起きていることが多いため、全てをお試しいただいた方が取りこぼしが少なく、効果も感じやすいためです。以下に挙げていくほぐしポイントは基本的には全てお試しください。
注意点を頭に入れたら早速ほぐしを実践していきましょう!
肩や二の腕の後ろ側・外側の痛みのポイント
合谷

手の親指と人差し指の間(水かき)の部位です。ここは東洋医学において合谷と呼ばれている万能のツボですが、橈骨神経の枝が通過する部位でもあります。親指は使用頻度の高い指ですので、ここが硬くなるだけでも橈骨神経を遡って肩関節にも影響を与えます。
水かきを反対の指で挟み込むようにしてグリグリと20〜30回ほどほぐしてみてください。

腕橈骨筋

腕橈骨筋は肘から親指側の手首近くまでにある筋肉です。
腕橈骨筋も橈骨神経によって支配されている筋肉ですが、二の腕の後ろ側を通ってきた橈骨神経が肘のあたりで走行を変える際に絡みやすい部位でもあります。
指を握るようにグッと力を入れると肘の周囲で筋肉が盛り上がってくるので探しやすいと思います。基本的には指でつまみ、外側に弾くようにしてほぐしてみてください。

上腕三頭筋

上腕三頭筋は二の腕の裏側にある筋肉で、この奥を橈骨神経が通過していきます。
ここはかなり硬くなっていることが多いため、上腕三頭筋を摘んで揺らすようにしてほぐしていってください。痛みに耐えられる余裕があれば、硬いところ(コリっとする感じ)を探し出してそこを押しながら肘の曲げ伸ばしを行うと効果的です(が、とても痛いです)。

肩や二の腕、前腕の前側の痛みのポイント
この部位の痛みにはたくさんの神経(肩甲上神経、外側胸筋神経、筋皮神経、正中神経、尺骨神経、内側上腕皮神経など)とその枝が関わってきます。
この中でも正中神経や尺骨神経は肩関節や二の腕には枝を伸ばさないのですが、直接的につながっていなくても根元では肩関節に枝を伸ばす神経とつながっているので、一見関係ないと思われるポイントでもほぐしていくと効果を発揮することがあります。
こちらもほぐすポイントは動画でも解説しておりますので、動画を観ながら試したい方は以下の動画を、文章が良い方はこのまま読み進めてください。
母指球筋・小指球筋

それぞれ手の親指と小指の付け根にある盛り上がった筋肉の塊の部分です。親指と小指は筋肉の数が多く複雑な動きができます。主に親指は正中神経、小指は尺骨神経に支配されるのですが、使用頻度の高いこれらの筋肉をほぐすだけでも肩関節に影響を与えることができます。痛みに注意しながら指先で押してみてください。

浅指屈筋・円回内筋

これらは肘から手の平側にある筋肉で浅指屈筋は指を曲げる筋肉、円回内筋は手のひらを下に向けるです。
細かい話をしますと正中神経は円回内筋と浅指屈筋の間を、尺骨神経は浅指屈筋の下を通過していきます。上記の図をご覧になるとお分かりになる通り、たくさんの筋肉が前腕部には付着しています。これらの筋肉は使用頻度が高い筋肉のため、神経の挟み込みが起きやすい部位です。
前腕部の手のひら側をストレッチしたりしながら、指先でほぐすようにしてみてください。

上腕二頭筋・上腕筋

これらは言わずと知れた二の腕の力こぶの筋肉です。上腕筋の上に上腕二頭筋があり、その間を太い血管や神経(正中神経、尺骨神経、筋皮神経など)が通過しています。ちなみに血圧を測るときにはここの上腕動脈で計測されます。
この力こぶの内側は神経に触りやすい部位でもあるためあまり強くほぐすことはおすすめできません。しびれるような感覚が出たらほぐすのは中止し、ほぐす位置をずらして行うようにしてください。
力こぶのできる部位を摘んで揺らしたり、上から押すようにしてほぐしていくのがおすすめです。

今回の参考書籍
Richard L. Drake 著, A. Wayne Vogl 著, Adam W. M. Mitchell 著, Richard M. Tibbitts 著, Paul E. Richardson 著, 秋田恵一 監修, 翻訳. グレイ解剖学アトラス第2版(2015)エルゼビア・ジャパン株式会社
本日のまとめ:二次的、三次的な痛みには遠い部位もほぐそう
今回は四十肩・五十肩における痛みに即効性のあるほぐすポイントを痛みの部位別に神経の挟み込みが起こりやすい部位をピックアップしてお伝えしました。
繰り返しになりますが、四十肩・五十肩の初期は肩関節周囲の組織の炎症が本態である病気ですので、炎症がある限りは痛みをゼロにすることはできません。今回ご紹介したのはあくまで二次的、三次的な痛みに対するアプローチです。四十肩・五十肩においては炎症を速やかに治め、硬くなった組織の柔軟性を回復していけるかが鍵になります。
四十肩・五十肩の改善までの大まかな流れや、肩の状態の変化に合わせてどのようなアプローチをしていくのかについてはぜひ以下の関連記事もご覧いただけたらと思います。
今回のブログ記事も改善に向けた1つ参考、そして痛みの解消につながれば幸いです。
神奈川県伊勢原市の整体院すいっちでは四十肩・五十肩にお悩みの方に選ばれ、施術させていただいています。ぜひ、以下の画像をタップして当院のホームページもご覧になってみてください。

痛い!五十肩って本当に放っておいて治るの?耐えられないくらいに痛いんだけど…。