鼻呼吸が重要な理由|鼻詰まりで頭がぼーっとするのはなぜ?医学的根拠と対策法

鼻から深呼吸している女性

鼻詰まりになると、なぜか頭がぼーっとして集中できなくなる…

このような経験はありませんでしょうか?多くの方は「酸素が足りないのだろう」と考えがちですが、それだけではありません。なぜなら、パルスオキシメーター(SpO2計)で計測しても「酸素飽和度は正常範囲」という方も少なくありません。しかし、鼻呼吸ができなくなることは、多くの弊害が生じ得ます。

医学研究により、鼻呼吸は脳への血流とガス交換、脳の神経同期、骨の成長、姿勢、そして免疫機能まで、全身の健康に深く関わっていることが明らかになっています。

今回は「なぜ鼻詰まりで頭がぼーっとするのか」という疑問から始まり、鼻呼吸が体全体にもたらす影響について、医学的根拠を交えながら詳しく解説していきます。

鼻呼吸の基本的な役割

まず、多くの人が見落としているのが、鼻呼吸が担う多くの役割です。鼻呼吸は単に「空気を吸う」という機能ではありません。

鼻呼吸で空気が循環している様子
鼻呼吸は非常に奥が深いです。

空気の保温・保湿機能

鼻呼吸によって吸入された冷たく乾いた外気は、鼻腔内を通る間に、高く血流が豊富な鼻粘膜によって加温・加湿されます。この過程は鼻の空気調整機能(Air-conditioning)と呼ばれています。

具体的には、どんなに冷たい外気であっても、鼻を通過した後には気道内の空気は約31~34°Cに加温されます。さらに気道がより深い部分に行くにつれて、最終的には体温である37°Cまで温められるのです。同時に、相対湿度は90%にまで加湿されます。

この保温・保湿機能により、下気道や肺への冷たく乾いた空気の刺激が防止され、気道粘膜の過度な乾燥や線毛運動の低下が防げられます。

空気の浄化と感染防御

鼻毛や鼻腔の線毛と粘液により、花粉、ホコリ、微生物などの吸入性異物が効果的に捕捉・排除されます。この機能により、下気道への病原体侵入が予防されます。

鼻毛を処理している男性
飛び出した鼻毛は何とも…ですが、なければないで困ります。適度な処理が重要です。

吸気からの熱と水分の回収

興味深いことに、鼻は吸入時だけでなく、呼出時にも重要な役割を果たしています。体から出る暖かく湿った呼気は、鼻を通過するときに冷えた空気層と接触し、この過程で呼気の熱と水分の約30%が鼻で回収されます。これにより、体は無駄な熱と水分の喪失を減らすことができるのです。

酸素飽和度(SpO2)と組織酸素化の乖離

ここからが少々難しいですが、極めて重要なポイントです。多くの人が見落としている医学的事実があります。血液中の酸素飽和度が正常範囲であっても、実際の脳への酸素供給には問題が生じる可能性があるということです。

酸素飽和度(SpO2)とは何か——その限界

酸素飽和度(SpO2)は、パルスオキシメーター(指に付ける小さな計測器)で測定される値です。これは「血液中のヘモグロビンの何パーセントが酸素に飽和しているか」を示す指標です。通常、健康な人は95~100%の範囲(個人差があり、95%以上が正常範囲とされています)

パルスオキシメーターの写真
自前のパルスオキシメーターです。この時の私のSpO2は98%でした(上の48は脈拍数です)。

しかし、ここで重要な限界があります。SpO2が正常でも、脳への実際の酸素供給量とは異なる可能性があるということです。これは医学的には酸素飽和度と組織酸素化の乖離(dissociation between SpO2 and tissue oxygenation)と呼ばれています。

脳への実際の酸素供給を決定する要因

脳への酸素供給量を決定するのは、単一の要因ではなく、複数の要因の総合的な結果です。

脳への酸素供給量 = 脳血流量(CBF)× 動脈血酸素含有量(CaO2)

ここで注意すべき点は、SpO2はCaO2の一部でしかないということです。CaO2には以下の要素が含まれます。

  • ヘモグロビンに結合している酸素(SpO2で測定される部分)
  • 血液に溶解している酸素
  • 各種タンパク質に結合している酸素

すなわち、SpO2が96~99%と正常値であっても、実際の酸素含有量はさまざまです。

脳血流量の重要性

さらに極めて重要な要素が、脳血流量(Cerebral Blood Flow, CBF)です。脳への酸素供給は、血液に含まれる酸素が多くても、脳に到達する血流が少なければ、実際の酸素供給は不十分になります。

重要な研究結果として報告されているのは、鼻詰まりや口呼吸時に、SpO2は正常範囲であっても、脳血流量は低下する可能性があるということです。つまり、十分な酸素が血液に含まれていても、その酸素を脳へ運ぶ血流そのものが減少しているということになります。

脳血流とCO2の役割

ここでもう一つ重要な要素が登場します。それはCO2(二酸化炭素)の役割です。

工場の煙突から二酸化炭素(CO2)が出ている様子
昨今は何かと悪者にされる二酸化炭素ですが、体の中での役割とは…。

CO2は最強の脳血管拡張物質

CO2は、実は体の中で最強の脳血管拡張物質として知られています。血液中のCO2濃度が変わることで、脳血管は直接的に拡張または収縮します。

正常な呼吸では、呼気終末CO2濃度(ETCO2)は35~45 mmHgの範囲に保たれます。この適切なCO2レベルが、脳血管を最適に拡張させ、脳への血流を最大化します。

口呼吸による過換気とCO2低下

鼻詰まりや習慣的な口呼吸では、しばしば過換気(hyperventilation)が起こります。これは、呼吸困難に対する身体の代償反応です。過換気により、CO2は通常以上に排出され、血液中のCO2濃度が低下(低炭酸血症)します。

低CO2状態では、脳血管は逆説的に収縮してしまい、脳への血流が低下するのです。これはパラドックスのように思えますが、実は生理学的には明確なメカニズムです。

脳血流低下と「ぼーっとした」感覚のメカニズム

ここまでの内容を踏まえると、以下のメカニズムが成立します。

  1. 鼻詰まり
  2. 口呼吸
  3. 過換気またはCO2レベルの異常
  4. 脳血管の収縮または拡張不良
  5. 脳血流低下
  6. 脳への酸素供給不足(SpO2は正常でも)
  7. 「ぼーっとした」感覚

この過程では、SpO2計は「酸素飽和度は正常」と表示しているのに、脳への実際の酸素供給は不十分になっているのです。

鼻呼吸が脳に与える影響

今度は、正常な鼻呼吸が脳にもたらすプラスの影響を見てみましょう。

鼻から深呼吸をしている女性

認知機能への直接的な改善

鼻閉塞が認知機能に与える影響は、神経心理学的検査によって客観的に測定されています。慢性鼻炎症患者の研究では、治療前に患者は注意力の集中、短期記憶、および情報処理速度の低下を示していました。

しかし、手術による鼻閉塞の解除後、これらの認知機能がすべて有意に改善されたという研究報告があります。

鼻呼吸による脳血流の最適化

鼻呼吸により、以下の利点が生まれます。

  • 呼気終末CO2濃度(ETCO2)が適切に維持される(35~45 mmHg)
  • 脳血管が最適に拡張される
  • 脳への血流が最大化される
  • 脳の神経同期が安定する

結果として、SpO2が同じであっても、鼻呼吸時の方が脳への酸素供給がより効率的になるのです。

記憶と学習への促進

鼻呼吸の神経同期効果により、嗅覚記憶の形成や感情認知が促進されることが報告されています。つまり、鼻呼吸は単に酸素を供給するだけでなく、脳の記憶形成メカニズムそのものを促進するのです。

成長期における鼻呼吸の重要性

次に、鼻呼吸の影響は成長期において特に大きくなります。

舌位置と頭蓋骨の発達

健康な鼻呼吸ができることは、舌を軟口蓋(口の中の上顎部分)に貼り付けた状態で閉口できることを意味します。そしてこの正しい舌位置は、成長期の頭蓋骨、特に上顎骨や下顎骨の正常な発達に必須です。

出生~生後2年の間に、舌が下向きかつ前方に移動すると、あごが突出し始めることが確認されています。また、開口位置で舌が低く位置した状態が長く続くと、以下の異常が生じます。

  • 顎関節の形態の異常(下顎の後方回転)
  • 上顎骨の垂直的過成長
  • 咬合の異常(開咬)の形成
歯並びの悪い女の子
顎の骨の発達は歯並びにも影響します。

上顎骨の成長方向への影響

上顎骨の成長方向と量は、舌圧と舌の位置に大きく影響されます。舌が常に軟口蓋から下がった位置にあると、上顎骨に下向きの圧力が常に加わり、その結果、垂直的な下方成長が過度になってしまいます。

逆に、舌を軟口蓋に貼り付けた正しい姿勢が維持されると、上顎骨への上向きの舌圧が存在し、より水平的で理想的な成長パターンが促進されます。

口腔機能療法による実証

医学的には、この理論は口腔機能訓練療法(Orofacial Myofunctional Therapy, OMT)という治療法によって実証されています。693人の小児を対象とした研究では、舌位置を正し、口を閉じた正しい姿勢を習得させるトレーニングを行った結果、頭蓋顔面領域の機能と形態の両方が改善されたことが報告されています。

姿勢と呼吸の関係性

鼻呼吸を維持するには、単に鼻だけが機能すればよいのではなく、頭頸椎のアライメント、特に環椎後頭関節の位置が極めて重要です。

環椎後頭関節と開口姿勢

環椎後頭関節(後頭部の骨と1番上の首の骨で構成される関節、頭と首の境目の部分)が伸展位(詰まった状態)にあると、機械的に開口しやすくなります。

閉口して舌を軟口蓋に貼り付けるには、頭頸椎のアライメント、特に上部頸椎(C1-C2)と頭部の関係が重要です。環椎後頭関節が伸展位にあると、顎が自然と開こうとするため、閉口姿勢を維持するのが難しくなります。

試しに以下の画像のように、猫背で頭を前に突き出した姿勢と背筋を伸ばして顎を引いた姿勢とで口の閉じやすさ、開きやすさを比べてみてください。

悪い姿勢(猫背)と良い姿勢で座っている男性

姿勢と呼吸様式の双方向性

医学研究では、姿勢と呼吸様式の間に双方向的な関係があることが示されています。

  • 悪い姿勢が呼吸様式を変える

鼻詰まりや上気道の通気不全がある場合、身体は呼吸抵抗を減らすために代償的に姿勢を変化させます。上述したように、頭頸椎が伸展位になり、前方頭位(Forward Head Posture, FHP)となります。この姿勢は上気道の安定性を増加させ、通気性を改善する適応的なメカニズムです。

実際に、鼻の通気性の低い子どもは、正常な鼻通気性を持つ子どもと比べて、有意に高い頭部伸展位を示しました。具体的には、鼻通気性低下群では、頭部屈伸位が有意に高く、鼻通気性の低下に伴って頭部伸展が増加する傾向が観察されました。

  • 伸展位姿勢が口呼吸を促進する

既に頭頸椎が伸展位にある場合、この姿勢自体が開口呼吸(口呼吸)を促進する傾向があります。これは、閉口して舌を軟口蓋に貼り付けるという積極的な姿勢制御が難しくなるためです。

つまり、鼻詰まりがある場合でも、姿勢が悪い場合でも、口呼吸が促進されるということです。

姿勢-咬合-気道の三位一体

医学では姿勢-咬合-気道の三位一体(Troika of Posture, Occlusion and Airway)という概念が認識されています。

脊椎は中立位にのみ4~4.5 kgの負荷に耐えられるのですが、頭が前方に1インチ(約25mm)ズレると、脊椎にかかる負荷は4~5 kgずつ増加します。この過剰な負荷を軽減するために、身体は以下の適応を行います。

  • 下顎骨と上顎骨の関係の変化
  • 顎関節の位置調整
  • 頸椎のアライメント調整(環椎後頭関節を含む上部頸椎)
  • 舌位置と閉口姿勢の維持能力の低下

これらは相互に関連し、一つの要因が改善されると、他の要因も改善される傾向があります。

ここまでの内容を踏まえると、鼻呼吸を獲得・維持するためにはいわゆる良い姿勢の獲得・維持が重要ということです。

構音と舌の位置
良い姿勢と良い舌の位置(t音やd音)の獲得が重要です。

鼻呼吸と一酸化窒素(NO)

鼻呼吸のもう一つの重要な機能が、一酸化窒素(NO)の産生と吸気への混和です。

一酸化窒素
馴染みのない方もいらっしゃると思いますが、一酸化窒素も重要です。

一酸化窒素の生理的効果

鼻腔(鼻の穴から奥の空間)および副鼻腔(鼻の周囲にある空洞)では一酸化窒素(NO)が高濃度で合成・貯蔵されており、鼻呼吸によってこのNOが吸入空気中に混ざります。一酸化窒素には以下の多くの生理的効果があります。

  1. 抗菌・抗ウイルス作用: NOは呼吸器系の感染防御に働き、ウイルス・細菌の増殖を抑制します。特に、インフルエンザやコロナウイルスなどの呼吸器ウイルスに対する防御効果が報告されています。
  2. 気道拡張・血管拡張: NOは気道粘膜や肺血管を拡張し、呼吸時のガス交換効率を高めます。肺での酸素取り込みの促進や、局所の酸素供給にも寄与します。
  3. 空気の保温・加湿の促進: NO産生が高いと、鼻腔粘膜血流の増加・粘液分泌の増強が起こり、空気の加温・加湿効果も向上します。
  4. 呼吸調節・神経調節: NOは周辺神経系にも作用し、自律神経の調節や呼吸リズムの同期にも関与しています。

口呼吸による喪失

口呼吸では一酸化窒素(NO)の産生や吸気への混和が大きく低下します。そのため、口呼吸主体では、感染抵抗力の低下、肺ガス交換効率の低下、保温・保湿効果の減弱などが起こります。

鼻呼吸を改善するための実践的アプローチ

では、どのようにして鼻呼吸を改善し、これらの機能を回復させることができるのでしょうか。さまざまな観点で見ていきましょう。

1. 鼻詰まりの根本原因の理解

まず重要なのは、鼻詰まりの原因を理解することです。花粉症などのアレルギーが原因の場合は、その管理が必要です。耳鼻咽喉科での診断と治療を受けることは重要です。

ただし、耳鼻咽喉科の治療だけでなく、並行して以下のような全身のアプローチを行うことも有効です。

病院の窓口で支払いをする子ども
明らかな疾患があるかどうか、医療的な介入が必要かどうかは医療機関で確認しましょう。

2. 姿勢改善

前方頭位や頸椎の過度な伸展がある場合は、まず姿勢の改善が重要です。

  • デスクワーク時の首の位置
  • スマートフォン使用時の姿勢
  • 睡眠時の枕の高さ

これらを意識することで、頭頸椎のアライメントが改善され、結果として鼻呼吸がしやすくなるでしょう。

特にデスクワークの方は姿勢が崩れやすいため、以下の関連記事【体に優しい座り方とは?腰痛や肩こりを防ぐ正しい姿勢の考え方と実践法】をお読みいただけると対策を講じやすいと思います。

3. 舌位置と口腔機能の改善

舌を軟口蓋に貼り付けた状態で閉口する習慣を意識的に形成することが重要です。特に成長期の小児では、この習慣形成が後の顎関節機能と脊椎アライメント、そして脳機能を決定する可能性があります。

正しい舌の位置と悪い舌の位置のイラスト
上顎に舌がはりついた状態(左)が理想です。

4. 呼吸リズムの安定化

鼻呼吸の習慣を回復させることで、呼吸リズムが安定し、脳の神経同期が改善されます。意識的な鼻呼吸練習(例:4秒吸って6秒かけてゆっくり吐くを1分程度行う)も有効です。

5. 段階的で無理のないアプローチ

鼻詰まりが長期間続いている場合、急激な改善を目指すのではなく、段階的なアプローチが有効です。

  • 鼻呼吸と口呼吸の意識的な使い分け
  • 鼻通気性が良い時間帯の活用
  • 鼻洗浄などの補助的手段の検討

6. 専門家との連携

以下の場合は、医師や専門家への相談をお勧めします。

  • 基礎疾患や既往歴がある場合
  • 薬物治療中の場合
  • 鼻詰まり症状が3週間以上継続する場合
  • 体調に明確な異変が生じた場合

医学的な治療と並行して、整体による姿勢改善や筋肉バランスの調整も、総合的な健康管理の一環として有効な場合があります。

よくあるご質問

ここからはよくある質問に対する回答をご紹介します。これまでの復習代わりにもお読みください。

Q&Aの画像

SpO2は血液中の酸素飽和度を示す指標ですが、脳への実際の酸素供給は、脳血流、CO2レベル、呼吸リズムなど複数の要因によって決定されます。SpO2が正常でも、これらの要因が障害されていれば、脳への酸素供給は不十分になる可能性があります。これを「酸素飽和度と組織酸素化の乖離」と呼びます。

口呼吸が常に悪いわけではありませんが、特に睡眠時や安静時には鼻呼吸が望ましいです。激しい運動時など、一時的に口呼吸が必要になる場面もあります。ただし、習慣的な口呼吸は、脳血流の低下、CO2レベルの異常、神経同期の乱れを招くため、避けるべきです。

はい、本当です。CO2は最強の脳血管拡張物質であり、過換気によるCO2低下は脳血管の収縮を招きます。これは医学的に確立された事実で、脳血流低下症候群の一つの原因となります。

成人期での改善は、小児期ほど骨格形態に大きな影響は与えませんが、脳血流の改善、CO2レベルの正常化、神経同期の安定化により、脳機能と生活の質を大きく向上させることが可能です。年齢に関わらず改善は有益です。

手術の必要性は、症状の重症度や生活への影響の大きさによって異なります。医師との十分な相談が必要ですが、並行して姿勢改善などのアプローチを試みることは有害ではありませんし、手術を受けたとしても全身のバランスを整えておいて損はないでしょう。

小児における口呼吸習慣の改善は、後の健全な発達を促進する上で極めて重要です。特に、成長期における脳神経同期の安定化と、正常な骨格発達の促進の観点から、早期の対応が推奨されます。まずは耳鼻咽喉科で鼻詰まりの原因がないか確認し、並行して口腔機能訓練や姿勢改善に取り組むことをお勧めします。

鼻呼吸の習慣改善は、通常、段階的に進みます。ただし、脳血流の改善や呼吸リズムの安定化による睡眠の質改善は比較的早期に実感される可能性があります。急激な変化よりも、段階的で安定した改善が望ましいです。

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  2. Simonyan V, Arutyunyan T, Gevorgyan A, Harutyunyan A. Effects of Nasal and Oral Breathing on Respiratory Muscle and Brain Function: A Review. Phys Ther Res Pract. 2025;8(1):7-14. doi:10.52547/ptj.8.1.7
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関連記事

今回の記事では鼻呼吸をテーマに、科学的な研究結果や私の経験を交えてまとめてきました。呼吸については以下の関連記事【「深呼吸で酸素を身体中に行き渡らせる」は本当?生理学で検証する深呼吸の真実】もぜひ参考になさってください。

ソファの上で微笑みながら呼吸をする男性

まとめ:鼻呼吸は全身の健康の基盤

鼻呼吸について本記事の内容をまとめると、鼻呼吸の役割は単なる酸素補給ではなく、以下の多くの機能を担っています

  • 吸入空気の保温・保湿
  • 病原体からの防御
  • 脳への効率的な酸素供給(SpO2ではなく、脳血流とCO2レベルによって)
  • CO2レベルの維持による脳血管の最適な拡張
  • 呼吸リズムによる脳神経同期の安定化
  • 一酸化窒素による感染防御と気道拡張
  • 正常な顎関節・頭蓋骨発達の促進(成長期)
  • 正しい脊椎アライメント維持への貢献

そして以下のような極めて重要な医学的事実も明らかになっています。

  • SpO2が正常でも、脳への実際の酸素供給には問題が生じる可能性がある(酸素飽和度と組織酸素化の乖離)
  • 脳血流とCO2レベルの維持が、脳への酸素供給において酸素飽和度と同等、またはそれ以上に重要である
  • 呼吸リズムそのものが、脳の神経活動を組織化する

研究報告や私のこれまでの経験から重要だと考えることは以下のとおりです。

  • 鼻詰まりは単に鼻の問題ではなく、全身の問題である
  • 姿勢と呼吸様式は相互に関連している
  • 成長期の呼吸習慣は生涯にわたる影響を持つ
  • SpO2が正常でも、症状改善がない場合は脳血流やCO2レベルの問題を疑う
  • 段階的で無理のないアプローチが重要である
  • 医学的治療と並行した全身的アプローチが効果的である

健康的な生活の基盤には、正しい呼吸様式、適切な姿勢、脳への効率的な酸素供給も深く関わります。呼吸という日常的で当たり前と思われている生理機能の重要性を改めて認識することが、全身の健康改善の第一歩となると考えます。

最後に、体調に関する不安がある場合は、必ず医療機関での相談を受けることをお勧めします。また、整体による体のケアも、正しい姿勢の形成、脳血流の改善、呼吸機能の改善を通じて、総合的な健康管理の一環として有効な場合があります。

ぜひ、以下の画像をタップして当院のホームページもご覧になってみてください。

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本記事に関する注記:

本記事は現在までの医学的知見に基づいて作成されております。医学知見は継続的に更新される分野であり、個々の症状や健康状態は異なるため、本記事の内容は参考情報としてお読みいただき、体調に関する具体的なご判断は、必ず医師や医療専門家へのご相談の上、行っていただけますようお願いいたします。

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