口呼吸が子どもに与える影響とは?歯並び・姿勢・集中力への関係と改善方法

ぽかん口をしている子ども
腕組みをして悩んでいる女性のイラスト

うちの子、いつも口が開いているんですけど…

先日、子育て中のお母さんからこのようなお悩みをお聞きしました。お子さんがテレビを見ているとき、勉強しているとき、あるいは眠っているとき、気付くと口がぽかんと開いている…そんな様子を目にしたことがある方も多いと思います。もしかしたら、お子さんに限らず、これをお読みのあなたも気付いたら口が開いているかもしれません。

「口呼吸」は、単なる癖のように見えますが、実は子どもの成長・発達において見過ごせない影響を及ぼす可能性があることが、多くの医学研究で明らかになっています。それは、歯並びや顎の発達、姿勢のバランス、さらには集中力や学習能力まで、口呼吸は子どもの心身のさまざまな側面に関わっています。

本記事では、口呼吸が子どもに与える影響について、最新の医学的知見を交えながら分かりやすく解説し、ご家庭でできる改善アプローチについてもご紹介します。

口呼吸とは何か?

口呼吸(こうこきゅう、一般的には「くちこきゅう」)とは、文字通り「口で呼吸すること」を指します。通常、人間は鼻で呼吸することが生理学的に適していますが、何らかの理由により口を主な呼吸経路として使用している状態を口呼吸と呼びます。

口呼吸には大きく分けて2つのパターンがあります。

  1. 完全な口呼吸:鼻がほとんど使われず、呼吸のほぼ全てを口で行っている状態
  2. 混合型の呼吸:鼻と口の両方を使っているが、口の割合が多い状態

また重要な点として、鼻呼吸ができるにもかかわらず、無意識に口が開いているという状態も存在します。このような場合、呼吸そのものは鼻で行えていても、口が開いた状態が続くことで、後述するさまざまな影響が生じる可能性があります。

ぼーっとして口をぽかんと開けている男性
こんな感じでぼーっと「ぽかん口」をしていませんか?

鼻呼吸との違い

鼻呼吸と口呼吸の最も大きな違いは、空気が体内に入る経路です。

  • 鼻呼吸の特徴
  • 吸い込んだ空気が鼻腔を通過する際に、加温・加湿される
  • 鼻毛や鼻粘膜により、異物(ホコリ、花粉、微生物など)が捕捉・除去される
  • 副鼻腔で産生される一酸化窒素(NO)が吸気に混ざり、気道や血管を拡張する作用がある
  • 呼気の熱と水分の一部を回収し、体の水分・熱の損失を抑える
  • 口呼吸の特徴
  • 空気が直接口から入るため、冷たく乾燥したままの空気が気道や肺に到達する
  • 異物の捕捉・除去機能が限定的
  • 一酸化窒素の産生・混和がほとんどない
  • 口腔内が乾燥しやすい

このような生理学的な違いから、口呼吸は鼻呼吸に比べて、体にとって不利な条件が揃いやすいと考えられています。

口呼吸はどれくらい多いのか

口呼吸は、特に小児において非常に一般的な現象です。研究によれば、学齢期の子どもの約10~30%に口呼吸の習慣が認められると報告されています。

特に注目すべきは、鼻詰まりなどの明らかな原因がなくても、習慣的に口呼吸をしている子どもが一定数存在するという点です。

口呼吸が子どもに与える影響

口呼吸が子どもの成長にどのような影響を与える可能性があるのか、医学研究で明らかになっている点を見ていきましょう。

歯並びと顎の発達への影響

口呼吸と歯並び・顎の発達には、密接な関連があることが多くの研究で示されています。

  • 上顎骨の幅の狭小化

口呼吸をしている子どもでは、上顎骨(上あごの骨)の横幅が狭くなる傾向が報告されています。これは、正常な鼻呼吸時に舌が口の天井(口蓋)に接触して適切な圧力をかけることで、上顎が横方向に成長するのに対し、口呼吸時には舌が下方に位置することで、この成長促進効果が得られにくいためと考えられています。

正しい舌の位置と悪い舌の位置のイラスト
口を閉じている時、下は上にありますか?下にありますか?
  • 歯列の配列異常

上顎の横幅が十分に広がらないと、歯が並ぶスペースが不足し、歯列不正(歯並びの乱れ)が生じやすくなります。特に、前歯が前方に傾斜する、歯が重なって生える、といった状態が観察されることがあります。

  • 咬合の異常

口呼吸をしている子どもでは、開咬(上下の前歯が噛み合わない状態)、交叉咬合(上下の歯の噛み合わせが横にずれている状態)などの咬合異常が生じる可能性が高いことが報告されています。

歯並びのさまざまな種類
歯列や咬合にもさまざまな種類があります。
  • 重要な視点:因果関係の複雑性

ただし、ここで重要なのは、口呼吸が常に歯列不正の原因であるとは限らないという点です。最新の医学研究では、口呼吸と歯列不正の関係は一方向的な因果関係ではなく、相互に影響し合う循環的なプロセスであることが示唆されています。

つまり、鼻詰まりなどの原因で口呼吸になり、それが歯列や顎の発達に影響を与える場合もあれば、遺伝的な顎の形態が原因で気道が狭くなり、その結果として口呼吸が生じる場合もあるということです。

顔面の成長パターンへの影響

口呼吸は、顔面全体の成長パターンにも影響を与える可能性があります。口呼吸をしている子どもでは、以下のような顔面形態の特徴が観察されることがあります。

  • 顔面の垂直方向への過度な成長(面長な顔)
  • 下顎の後方への位置づけ
  • 口唇の閉鎖不全
  • 鼻翼の発達不足

これらは、「アデノイド顔貌」や「ロングフェイス症候群」と呼ばれることもありますが、必ずしも全ての口呼吸の子どもに当てはまるわけではありません。

鼻の解剖とアデノイド顔貌
アデノイドとは鼻の奥にある咽頭扁桃のことです。

姿勢への影響

口呼吸と姿勢の間には、興味深い双方向的な関係があることが研究で明らかになっています。

  • 前方頭位(ストレートネック)との関連

口呼吸をしている子どもでは、頭が前方に突き出た姿勢(前方頭位、Forward Head Posture)を取りやすいことが報告されています。これは、気道を確保するための代償的な姿勢変化と考えられています。

具体的には、鼻の通気性が低下すると、呼吸がしやすくなるように頭部が自然と後方に傾き(頸椎の伸展)、結果として首が前に出る姿勢になりやすいのです。

  • 姿勢から口呼吸への影響

興味深いことに、この関係は逆方向にも成立します。すなわち、悪い姿勢が口呼吸を促進する可能性もあるのです。

猫背やストレートネックの状態では、口が開きやすくなり、舌を正しい位置(口蓋)に保つことが難しくなります。その結果、口呼吸が習慣化しやすくなると考えられています。

  • 胸郭(肋骨)への影響

口呼吸をしている子どもでは、胸郭の発達や動きにも変化が生じることが報告されています。呼吸補助筋の過度な使用や、胸郭の拡張制限などが観察されることがあります。

猫背の女の子
学童機以降、座る時間が長くなる子どもたちの姿勢には注意することが大切です。

集中力・学習能力への影響

口呼吸は、子どもの認知機能や学習能力にも影響を与える可能性があることが、複数の研究で示されています。

  • 注意力・集中力の低下

ブラジルで行われた研究では、口呼吸をしている子どもは、鼻呼吸をしている子どもと比較して、ワーキングメモリ(作業記憶)、読解力、算数能力において有意に低いスコアを示すことが報告されました。

  • 睡眠時無呼吸との関連

口呼吸は、小児の睡眠時無呼吸症候群(OSA)と関連することがあり、これが日中の眠気、注意力の低下、さらにはADHD様の症状(落ち着きのなさ、衝動性など)につながる可能性が指摘されています。

  • 脳への酸素供給と呼吸リズム

鼻呼吸は、脳の神経活動のリズムと同期することが知られており、この同期が記憶の形成や認知機能の最適化に重要な役割を果たしていることが示されています。

口呼吸では、この呼吸と脳活動の同期が乱れる可能性があり、結果として認知パフォーマンスに影響を与えると考えられています。

勉強に集中できていない子ども
姿勢が悪く、口が開いている子は口呼吸の傾向があるかもしれません。

睡眠の質への影響

口呼吸は、これまでお伝えしたように睡眠の質にも大きな影響を与える可能性があります。

  • 睡眠時無呼吸・低呼吸

口呼吸をしている子どもでは、睡眠中に呼吸が浅くなる、あるいは一時的に止まる(無呼吸)といった現象が生じやすいことが報告されています。また、以下のような問題が生じる可能性があります:

  • 睡眠の分断(頻繁な覚醒)
  • 深い睡眠(徐波睡眠)の減少
  • 成長ホルモン分泌の低下
  • 日中の眠気や疲労感

さらに口呼吸は、いびきの原因にもなります。いびきは、睡眠の質を低下させるだけでなく、気道の振動により炎症を引き起こす可能性もあります。

口を開けて寝ている子ども
子どものいびきも要観察ポイントです。

口腔内環境と免疫機能への影響

口呼吸により口腔内が乾燥すると、以下のような問題が生じやすくなります。

  • 口腔内の乾燥

唾液には、抗菌物質が含まれており、口腔内を清潔に保つ役割があります。口呼吸により口腔内が乾燥すると、この防御機能が低下します。

  • 虫歯・歯周病のリスク増加

口腔内の乾燥は、虫歯や歯周病のリスクを高める可能性があります。特に、就寝中の口呼吸は、長時間にわたって口腔内が乾燥するため、リスクが高まると考えられています。

  • 上気道感染のリスク

鼻呼吸では、鼻粘膜による異物の捕捉・除去や、一酸化窒素による抗菌作用が働きますが、口呼吸ではこれらの防御機能が働きにくくなります。その結果、風邪やインフルエンザなどの上気道感染症にかかりやすくなる可能性があります。

口臭を可視化した様子
口腔内の乾燥は口臭にもつながることがあります。

なぜ口呼吸になるのか?

口呼吸が生じる原因は、一つではありません。複数の要因が絡み合っていることが多く、個々のお子さんによって状況は異なります。

鼻の通気性の問題

最も一般的な原因は、鼻の通気性が低下していることです。

  • 具体的な原因
  • アレルギー性鼻炎(花粉症など)
  • 慢性副鼻腔炎(蓄膿症)
  • アデノイド肥大(鼻の奥にあるリンパ組織の腫れ)
  • 扁桃肥大
  • 鼻中隔弯曲症(鼻の中の壁が曲がっている)
  • 鼻茸(鼻ポリープ)

これらの状態では、鼻での呼吸が困難になるため、代償的に口呼吸が生じます。

花粉症の女の子
私は小学生の頃から花粉症だったため、これに当てはまりそうです。
  • 口呼吸と姿勢の双方向的な関係

前述したように、口呼吸と姿勢は相互に影響し合います。

  1. 鼻詰まり → 口呼吸 → 姿勢の変化

鼻詰まりがあると、気道を確保するために頭部が前方に移動し、前方頭位(ストレートネック)になりやすくなります。

  1. 姿勢の悪化 → 口が開きやすい → 口呼吸

逆に、スマートフォンやタブレットの長時間使用、デスクワーク時の姿勢など、現代的な生活習慣により姿勢が悪化すると、それ自体が口を開きやすい状態を作り出し、口呼吸を促進する可能性があります。

このような双方向的な関係を理解することは、効果的な改善アプローチを考える上で重要です。

タブレットで勉強する子ども
最近はタブレットでの学習もあるようですが、良いやら悪いやら…。
  • 舌の位置と口唇閉鎖力

正常な鼻呼吸時、舌は口蓋(口の天井)に軽く接触した位置にあります。この舌の位置は、上顎の成長を促進し、また口を自然に閉じた状態を維持するのに役立ちます。

しかし、口呼吸が習慣化すると、舌が下方に位置するようになり、この正常な位置関係が失われます。

また、口を閉じるための筋肉(口輪筋など)の力(口唇閉鎖力)が弱いと、無意識に口が開きやすくなります。成長期の子どもでは、この口唇閉鎖力が十分に発達していない場合もあります。

習慣化のメカニズム

興味深いことに、鼻詰まりが解消された後も、口呼吸の習慣が残ることがあります。

これは、一度形成された呼吸パターンや舌の位置、口唇の筋肉の使い方が、無意識的な習慣として定着してしまうためと考えられています。

このような場合、鼻呼吸ができるようにするためのアプローチだけでなく、呼吸パターンや口腔機能の再学習が必要になることがあります。

家庭でできる口呼吸改善アプローチ

お子さんの口呼吸に気づいたとき、ご家庭でできることをご紹介します。ただし、これらはあくまで補助的なアプローチであり、専門家への相談と並行して行うことをお勧めします。

1. まずは原因の確認

口呼吸の背景には、医学的な治療が必要な疾患が隠れている場合があります。まずは、耳鼻咽喉科を受診し、鼻詰まりの原因がないか確認することが重要です。

アレルギー性鼻炎、アデノイド肥大、扁桃肥大など、適切な治療により改善できる状態も多くあります。

2. 姿勢の見直し

姿勢と口呼吸は相互に関連しています。日常生活の中で、以下の点を意識してみましょう。

  • 座る姿勢
  • 椅子に深く腰掛け、背筋を伸ばす
  • 足の裏を床にしっかりつける
  • スマートフォンやタブレットを見るときは、目線の高さに近づける
  • 立つ姿勢
  • 耳・肩・腰・膝・くるぶしが一直線上に並ぶことを意識する
  • 顎を軽く引く
  • 寝る姿勢
  • 枕の高さを調整する(高すぎると気道が狭くなる)
  • 横向き寝も選択肢の一つ

姿勢が改善されると、自然と口が閉じやすくなり、鼻呼吸がしやすくなる可能性があります。

3. 舌の位置を意識する

正しい舌の位置は、舌全体が口蓋(上あご)に軽く接触している状態です。この舌の位置をキープするためには、上述したいわゆる良い姿勢であることも大切です。

具体的にはお子さんと一緒に、以下のような方法で舌の位置を確認してみましょう。

  • 舌の位置の確認方法
  1. 「タ」「ダ」「ナ」「ラ」などの音を発音する直前の舌の位置を意識する
  2. この位置(舌先が上の前歯の少し後ろ、舌全体が口蓋に接触)が正しい位置
  3. 日常生活の中で、この位置を意識する時間を少しずつ増やす

最初は意識的に行う必要がありますが、徐々に無意識的にできるようになることが期待されます。

構音と舌の位置
個人的なおすすめは「タ」と発音する前の舌の位置です。

4. 口唇閉鎖のトレーニング

口を閉じる筋肉を強化することも、口呼吸改善に役立つ可能性があります。

  • 簡単な口唇トレーニング
  • ボタンプル:清潔なボタンを紐で結び、唇だけで挟んで軽く引っ張る(1日数回、各10秒程度)
  • 「イー」「ウー」運動:「イー」と言いながら口角を横に広げ、「ウー」と言いながら唇を前に突き出す運動を繰り返す
  • 風船膨らまし:風船を膨らませる動作は、口周りの筋肉を使う良いトレーニングになります

ただし、お子さんが嫌がる場合は無理強いせず、楽しみながらできる範囲で取り組むことが大切です。

5. 呼吸への意識づけ

お子さんが自分の呼吸に意識を向けることも、改善の第一歩です。

  • 鼻呼吸の練習
  • 静かに座って、鼻からゆっくり息を吸い、鼻からゆっくり吐く練習をする
  • 1日数分から始め、徐々に時間を延ばす
  • お風呂上がりや就寝前など、リラックスした時間に行う

呼吸法は、ストレス軽減や集中力向上にも役立つことが報告されています。

6. 生活環境の整備

室内の環境も、鼻呼吸のしやすさに影響します。

  • 適切な湿度の維持(40~60%程度)
  • ハウスダストやダニの除去(アレルギー対策)
  • 空気清浄機の使用

特に、お子さんが寝る部屋の環境を整えることは、睡眠中の鼻呼吸を促進するために重要です。

専門家との連携が大切

口呼吸の改善には、複数の専門家との連携が効果的な場合があります。

耳鼻咽喉科での評価

鼻詰まりの原因を特定し、必要に応じて薬物療法や手術療法などの治療を受けることができます。

アデノイド肥大や扁桃肥大が著しい場合、摘出手術により呼吸が大幅に改善することもあります。

歯科・矯正歯科での評価

歯並びや顎の発達、咬合の状態を評価し、必要に応じて矯正治療や口腔機能療法(MFT:Myofunctional Therapy)を受けることができます。

口腔機能療法では、舌の位置や口唇の動き、咀嚼の仕方などを改善するトレーニングが行われます。

整体・理学療法による姿勢サポート

姿勢の評価と改善は、理学療法士や整体師の専門分野です。

全身のバランスを整えることで、呼吸がしやすい姿勢を獲得し、結果として鼻呼吸が促進される可能性があります。

また、筋肉の緊張や関節の動きを改善することで、頭頸部のアライメントが整い、気道の通りが良くなることも期待されます。

重要な注意点:整体は医療行為ではありませんので、診断や治療をお約束するものではありません。あくまで体のバランスを整え、呼吸しやすい状態をサポートするアプローチとお考えください。

よくあるご質問

ここからはよくある質問に対する回答をご紹介します。これまでの復習代わりにもお読みください。

Q&Aの画像

口呼吸に気づいた時点で、できるだけ早く対応することが望ましいと考えられています。特に、顎や顔面の成長が活発な幼児期から学童期(おおむね10歳頃まで)は、骨格の発達に影響を与えやすい時期です。

ただし、思春期以降であっても、呼吸パターンや姿勢の改善により、生活の質(睡眠の質、集中力など)を向上させることは十分に可能です。

就寝中の口呼吸は、日中の口呼吸と同様、あるいはそれ以上に注意が必要な場合があります。

睡眠中は無意識の状態が長時間続くため、口腔内の乾燥、睡眠の質の低下、睡眠時無呼吸などのリスクが高まる可能性があります。

お子さんが寝ているときにいびきをかく、口を開けて寝ている、朝起きたときに口が乾いているなどの症状がある場合は、一度専門医(耳鼻咽喉科や小児科)にご相談されることをお勧めします。

一部で「口閉じテープ」のような商品がありますが、お子さんに使用する場合は十分な注意が必要です。

特に、鼻詰まりがある状態で口を強制的に閉じると、呼吸困難を引き起こす危険性があります。必ず専門医に相談の上、適切な指導を受けてから使用するようにしてください。

はい、大人になってからでも、呼吸パターンや姿勢の改善により、鼻呼吸への移行は可能です。

ただし、成長期を過ぎると骨格の変化は生じにくいため、歯並びや顔面形態への影響は限定的です。それでも、睡眠の質、集中力、口腔内環境などの改善は十分に期待できます。

お子さんの呼吸様式を確認する簡単な方法をご紹介します。

  • 観察のポイント
  • 安静時(テレビを見ているときなど)に口が開いているか
  • 唇が乾燥していないか
  • 睡眠中にいびきをかいていないか、口が開いていないか
  • 朝起きたときに口が乾いていないか、のどが痛くないか
  • 簡易テスト
  • 口を閉じた状態で、鼻だけで1分以上呼吸できるかを確認してみましょう。困難な場合は、鼻の通気性に問題がある可能性があります。

歯列矯正により歯並びや顎の形態が改善されると、気道が広がり、呼吸がしやすくなる場合があります。

しかし、矯正治療だけでは呼吸パターンの習慣までは変わらないこともあります。矯正治療と並行して、口腔機能療法や呼吸パターンの再学習を行うことが、より効果的な場合もあります。

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関連記事

今回の記事では口呼吸をテーマに、医学研究や臨床経験を交えてまとめてきました。前回は鼻呼吸についても記事を書きましたので、以下の関連記事【鼻呼吸が重要な理由|鼻詰まりで頭がぼーっとするのはなぜ?医学的根拠と対策法】もぜひ参考になさってください。

また、姿勢改善については【体に優しい座り方とは?腰痛や肩こりを防ぐ正しい姿勢の考え方と実践法】なども併せてご覧ください。

鼻から深呼吸している女性

まとめ:口呼吸への早期対応が子どもの健やかな成長を支える

最後に本記事の内容をまとめます。

  • 口呼吸が子どもに与える可能性のある影響
  • 歯並びや顎の発達への影響(上顎骨の狭小化、歯列不正、咬合異常)
  • 顔面の成長パターンへの影響(垂直方向への過度な成長など)
  • 姿勢への影響(前方頭位、ストレートネック、猫背)
  • 集中力・学習能力への影響(注意力低下、記憶力低下)
  • 睡眠の質への影響(睡眠時無呼吸、いびき、日中の眠気)
  • 口腔内環境と免疫機能への影響(虫歯リスク増加、上気道感染リスク増加)
  • 口呼吸の原因は多因子的
  • 鼻の通気性の問題(アレルギー性鼻炎、アデノイド肥大など)
  • 姿勢と呼吸の双方向的な関係
  • 舌の位置や口唇閉鎖力の問題
  • 習慣化のメカニズム
  • 重要なポイント
  • 口呼吸と歯並び・姿勢・認知機能などは、一方向的な因果関係ではなく、相互に影響し合う複雑な関係にある
  • 早期に気づき、適切な対応をすることで、改善が期待できる
  • 専門家(耳鼻咽喉科、歯科、整体など)との連携が効果的
  • 家庭でのサポート(姿勢の見直し、舌の位置の意識、呼吸への意識づけなど)も重要

お子さんの口呼吸に気づいたら、まずは専門医に相談し、原因を明確にすることが第一歩です。その上で、ご家庭でのサポートや整体による姿勢のケアなど、多角的なアプローチを組み合わせることで、より効果的な改善が期待できます。

お子さんの健やかな成長のために、呼吸という基本的な生理機能に目を向けることは、とても大切なことです。少しでも気になることがあれば、お気軽に専門家にご相談ください。

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本記事に関する注記:

本記事は現在までの医学的知見に基づいて作成されております。医学知見は継続的に更新される分野であり、個々の症状や健康状態は異なるため、本記事の内容は参考情報としてお読みいただき、体調に関する具体的なご判断は、必ず医師や医療専門家へのご相談の上、行っていただけますようお願いいたします。

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