股関節が硬い原因は筋肉だけじゃない!|骨格の個人差と個性を理解しよう!

あぐらで膝が浮いている女性

股関節が硬くて開脚ができない…ストレッチを頑張っているのに全然柔らかくならないんだよなぁ…

最近、ヨガ教室に通い始めたんだけど、あぐらをかくと膝が浮いてしまうのが気になって…

このようなお悩みをお持ちの方、実は意外と多いのではないでしょうか。実際、私もご相談やお悩みを本当によくお聞きします

多くの方が柔軟性がないこと・可動域が狭いことを「筋肉が硬いから」「ストレッチが足りないから」と考えがちですが、実は体の柔軟性には骨格の形や角度といった個人差が大きく関わっていることがあります。

今回は最新の研究結果を踏まえながら、あなたの体質に合った主に股関節へのアプローチ方法をお伝えします。なお、本ブログはあくまで一般の方向けに専門的な知識を噛み砕いてお伝えするものであり、個別の診断や治療に関しては医療資格を持つ専門家にご相談いただければと思います。

もくじ

結論:股関節の柔軟性は「骨の角度」も超重要

まず結論からお伝えしますと、股関節の柔らかさや動きやすさは、筋肉の柔軟性に加え、骨格の形状や角度の影響もあることが分かっています。具体的には、太ももの骨(大腿骨)の「前捻角(ぜんねんかく)」という角度が、股関節の特徴を大きく左右しています。

前捻角の説明画像
右大腿骨を真上から見た3D画像です。前捻角はまた後で詳しくお伝えします。

最新の研究では次のような傾向があることが明らかになっています。

  • 前捻角が大きい人:内股姿勢や股関節内旋が得意、股関節外旋(外向き)が苦手
  • 前捻角が小さい人:がに股姿勢や股関節外旋が得意、股関節内旋(内向き)が苦手
股関節の内旋・外旋のイラスト
股関節の外旋と内旋の動きです。

つまり、あぐら姿勢などでストレッチをしていて「体が硬い」と思っていたことが、実はあなたの骨格に合わない動きを無理に行おうとしていただけかもしれないのです。

実際にあった危険なケース:骨格を無視したストレッチの怖さ

私が以前に担当した女性の患者さんが、ヨガ教室であぐら姿勢でストレッチをしていた時のことです。「もっと柔らかくなりますよ」と言われ、インストラクターに両膝を上から強く押され、その瞬間に股関節に激痛が走ったそうです。

そのお話をお聞きし、私が股関節をチェックしたところ、この方は前捻角が大きい過前捻(かぜんねん)タイプだと考えられました。つまり、骨格的にあぐらのような股関節外旋(股関節を外側に開く)動作が苦手なタイプだったのです。

あぐらに左右差がある女性
過前捻の場合、この女性の右足のように膝が床に近づかないケースがあります(この方が過前捻かは断定できません)。

なぜこのような怪我が起こったのか?

前捻角の大きい過前捻の方があぐらをする際、太ももの骨の形状により、股関節の奥で骨同士が衝突する「インピンジメント」という現象が起こりやすくなります。無理にあぐらのような股関節外旋した状態のところに外部から強制的な力が加わったことで、関節唇(かんせつしん)や関節包(かんせつほう)といった関節周囲にある軟部組織を痛めてしまったと考えられました。

このケースからも分かるように、骨格の個人差を無視したストレッチは、時として深刻な怪我につながる可能性があるということを、このブログをお読みの方にはぜひ覚えておいていただきたいと思います。

前屈のパートナーストレッチをしているふたりの女性
パートナーストレッチにも効果を感じる方はいますが、適切な範囲で行うことが推奨されます

肩関節でも同じことが起こる可能性がある:私自身の経験から

実は、骨格の個人差による問題は股関節だけではありません。私自身の話になりますが、少年野球をしていた影響で右の上腕骨後捻角(じょうわんこつこうねんかく)の増大があります。これは投球動作を長期間続けることで、肩の骨(上腕骨)が通常よりも後ろ向きに変形する現象です。

骨格(上腕骨後捻角増大)による肩関節可動域の左右差
私の場合、肩関節の可動域に左右差があります。教科書的な可動域は左側です。

上腕骨後捻角の増大は野球に限らず、バレーボール、テニス、バドミントンなど、腕を頭よりも上から振り下ろす動作のあるオーバーヘッドスポーツに取り組んだ方にしばしば見られる骨の変形の一種です。

これは一見すると「肩関節外旋が得意になって良いこと」のように思えますが、実際は違います。

上腕骨後捻角の増大で起こる問題

  • 肩関節内旋可動域の制限(GIRD:Glenohumeral Internal Rotation Deficit)
  • 肩や肘の怪我のリスク増加
  • 投球パフォーマンスの低下*

*アスリートレベルなどではこのような骨の変形が見られても可動域が十分に確保されていれば、かえってパフォーマンスが向上するという報告もあります。

とは言え、私はアスリートでがありません。自己管理として肩の状態を維持させるために毎日の肩関節内旋ストレッチを継続しています。私自身の経験からも、骨格の変化に合わせた適切なメンテナンスがいかに重要かということを実感しています。

股関節の「前捻角」とは?あなたの体質を決める重要な角度

さて、ここで股関節の動きをさらに深く理解するために、先ほどから繰り返しお伝えしている「前捻角」について詳しく説明しましょう。

前捻角とは

前捻角とは、太ももの骨(大腿骨)の上端(股関節の部分)がどれくらい前向きに傾いているかを表す角度です。

前捻角の説明画像
再び右大腿骨を上から見た3D画像です。この画像では前捻角は正常範囲を表しています。

正常範囲は以下の通りです(研究論文や教科書によって数字にバラツキがあります)

  • 一般的な範囲:8~25度
  • 平均:約15度
  • 個人差:非常に大きい

タイプ別の特徴

改めてタイプ別の特徴をまとめました。

①過前捻タイプ:前捻角が大きい人(25度以上)

  • 内股歩きになりやすい
  • あぐらが苦手(膝が浮きやすい)
  • バレエの1番ポジション(足先を180度開く)が困難
  • 割り座(ぺたんこ座り、女の子座り)は得意
  • 外旋ストレッチでの怪我リスクが高い
割り座をする女の子
両股関節ともに過前捻だと、英語ではW-sittingと呼ばれる座り方が得意な傾向があります。

②正常範囲タイプ:前捻角が標準的な人(8~25度)

  • バランス良く内旋・外旋ができる
  • 一般的なストレッチで効果を感じやすい

③後捻タイプ:前捻角が小さい人(8度未満)

  • がに股歩きになりやすい
  • あぐらは得意だが、内股の動き(股関節内旋)が苦手
  • バレエなどで行う股関節外旋動作が得意
あぐらをしている女性
両方ともに後捻だと、あぐらで膝や床に近づくくらいになる傾向があります。

自分の股関節タイプを知る簡単チェック法

本来は専門家によるCraig testと呼ばれる検査で前捻角の度合いを推測したり、CT画像などで確認していくのですが、専門的な検査を受けなくても、ご自宅で簡単に自分のタイプを推測する方法があります。

チェック方法1:立位での足の向き

  1. 自然に気をつけの姿勢で立つ
  2. つま先の向きを確認

結果の見方:

  • つま先が内向き(内股) → 過前捻の可能性
  • つま先がまっすぐ → 正常範囲の可能性
  • つま先が外向き(がに股) → 後捻の可能性

チェック方法2:あぐらテスト

  1. 床に座ってあぐらをかく
  2. 膝の高さを確認

結果の見方:

  • 膝が床から大きく浮く → 過前捻の可能性
  • 膝がほぼ床につく → 正常~後捻の可能性

チェック方法3:歩行時の蹴り出し

  1. 裸足で歩いてみる
  2. 地面を蹴る時の足指の使い方を観察

結果の見方:

  • 小指側で蹴っている → 過前捻の可能性
  • 親指(母趾)でしっかり蹴れている → 適切なアライメント
  • 親指側に偏りすぎ → 後捻の可能性

※ただし、チェック方法1〜3はあくまで目安です。正確な評価は専門家にご相談ください。

見落としがちな親子の共通点|前捻角の遺伝性と側弯症の深い関係

ここからは前捻角について、さらにさらに深掘りをしていきます。

家族で似ている「骨格の特徴」

「親子で歩き方が似ている」「兄弟で同じような姿勢をしている」などこのような光景を見かけたことはありませんか?実は、これは単なる習慣の模倣だけでなく、骨格の形そのものが遺伝的に受け継がれている可能性があるのです。

顔がそっくりな双子
双子や兄弟姉妹、家族間で顔が似るのは骨格が似ているという点もあります。

特に大腿骨前捻角については、最新の研究で兄弟間の相関係数が0.66という高い値を示すことが明らかになっており、遺伝的要素が関与している可能性が示唆されています。

研究で明らかになったこととして

  • 兄弟間で前捻角の値に強い相関関係(r = 0.66)
  • 親から子への骨格的特徴の継承が確認される
  • 左右差のパターンも家族内で類似する傾向

臨床で観察される傾向として

  • 親が過前捻もしくは後捻 → 子どもも過前捻もしくは後捻になりやすい
  • 片側座りの習慣が親子で共通している場合が多い
  • 歩行パターンや立位姿勢が家族内で類似

遺伝的素因と環境要因の相互作用

前捻角は完全に遺伝で決まるわけではありません。遺伝的素因(生まれ持った傾向)+ 環境要因(生活習慣)の組み合わせで最終的な骨格が形成されます。そして、環境要因の影響としては、座った姿勢の習慣(坐位習慣)や生活環境の共有が挙げられます。

  • 座位習慣の模倣:
  • 子どもは親の座り方を自然に真似する
  • 横座りや片側座りが「家族の文化」として継承される
  • テレビの位置や家具の配置も影響
  • 生活環境の共有:
  • 同じ椅子やソファを使用
  • 食事の際の座位姿勢が統一される
  • 遊び方や過ごし方のパターンが類似

私の経験上では、割り座(両股関節を内旋した女の子座り・ぺたんこ座り)、横座り、あぐらなどの座位習慣と前捻角の角度はかなり相関しているように感じます。

横座りをする女性
写真のような横座りをすると、私の経験上では左は後捻に、右は過前捻になりやすい傾向にあります。

ただし、ここで強調しておきたいのは前捻角はそもそも個人差が大きい骨格の個体差(個性)であって、病気ではありません。だからこそ、私は骨格の個性を把握し、個性に合わせた姿勢や動作の獲得が重要と考えています。

前捻角の左右差から始まる側弯の連鎖

さらに、前捻角の左右差がある場合には背骨の曲がり(側弯:そくわん)にもその影響が及ぶことが考えら、臨床でもしばしば観察されます。

側弯症の女性の写真
背骨が横に曲がった状態を側弯と言います。

前捻角が側弯に影響する段階的な変化のメカニズム

これも私の経験上の話ではありますが、前捻角や生活習慣から側弯が発生するメカニズムとして以下のものを考えています。

  • 第1段階:前捻角の左右差発生
  • 遺伝的素因 + 片側座りの習慣
  • 左右の股関節可動域に差が生じる
  • 歩行時の足部進行角に左右差
  • 第2段階:骨盤の代償
  • 股関節の動きの非対称性を骨盤で代償
  • 骨盤傾斜(Pelvic Obliquity)の発生
  • 仙骨の傾斜による土台の不安定化
  • 第3段階:脊椎の代償的側弯
  • 骨盤の傾斜を脊椎で代償
  • 初期は機能的側弯(可逆性あり)
  • 放置すると構造的変化へ進行

以前、顎の痛み(病院での診断名は顎関節症)を訴えていらした方は、前捻角に左右差があり、側弯が確認されました。その方は前捻角に合わせた姿勢や歩き方をお伝えし、側弯の修正を狙った運動をお伝えしたところ、顎関節の痛みが解消されました。

機能的側弯の特徴

側弯症と言うと、主に思春期の女子に多い、明確な誘因もなく背骨が曲がってしまう特発性側彎症(とくはつせいそくわんしょう)があります。本記事ではそれとは異なり、前捻角の左右差や骨盤の傾きなどから生じる機能的側弯についてお伝えしています。機能的側彎症の特徴として以下のものが挙げられます。

  • Cobb角(背骨の曲がり具合を示す角度)10度未満の軽度な弯曲
  • 椎体の構造的変形を伴わない
  • 原因となる下肢の問題を修正すると改善可能
  • 外部補正により2週間以内に脊椎が適応

側弯の注意すべき危険信号

私の経験を踏まえて前捻角から関連しているであろう側弯についてお伝えしてきましたが、側弯については以下の兆候や問題が見られた場合、専門的評価が必要となることがあります。

構造的変化の兆候:

  • Cobb角10度を超える側弯
  • 椎体回旋の明確な存在
  • 成長とともに進行する変化

複合的な問題:

  • 歩行時の明確な跛行
  • 股関節や腰部の疼痛
  • 日常生活動作の制限

いずれにせよ、気になったら一度は医療機関で専門的な検査をしてもらうのが確実だと私は思います。

家族スクリーニングの実践的意義

これまでお伝えしてきたことを踏まえ、私は前捻角の個性や機能的側弯が観察された場合、可能であればご家族に対しても簡単に骨格のチェックを行うようにしています。

なぜ家族全体を観察するのか

  • 早期発見の利点:
  • 子どもの将来の変化を予測できる
  • 遺伝的リスクを事前に把握
  • 予防的介入のタイミングを逃さない
  • 効果的な指導が可能:
  • 家族全体の習慣改善が必要な場合が多い
  • 親の理解と協力が得られやすい
  • 継続的なケアの実現

家族チェックの実際

観察ポイントとしては以下のものが挙げられます。

  • 立位姿勢での確認
  • 家族で並んで自然に立ってもらう
  • つま先の向き(内股・外股)の傾向
  • 歩行時の足部進行角の類似性
  • 座位習慣の確認
  • 普段の座り方の観察
  • テレビを見る時の姿勢
  • 食事の際の椅子の座り方
  • 側弯の兆候
  • 肩の高さの左右差
  • ウエストラインの非対称
  • 前屈時の肋骨の突出

なお、これらのあくまでスクリーニング的なチェックであり、専門的な機材のある医療機関で検査を受けるのが確実な方法です。

早期介入の重要性と具体的アプローチ

骨格は生まれてから成長期終了までに大きく変化するため、できるだけ早期介入が望ましいと考えられます。その根拠として、私が調べた範囲では以下のようになります。

  • 最適な介入時期:
  • 2〜3歳:座位習慣の形成期
  • 6〜8歳:骨格パターンの確立前
  • 思春期前:成長期の代償変化を予防
  • 研究による根拠:
  • 早期の姿勢管理が構造的変化を予防
  • 多様な座位姿勢の経験が健全な発達を促進
  • 機能的側弯は早期なら完全可逆性

さらに、家族単位でのアプローチの例としては

  • 環境整備
  • 家具の配置見直し(テレビの位置など)
  • 多様な座位姿勢を取れる環境作り
  • 正しい椅子の高さと机の関係
  • 習慣改善
  • 片側座りの制限(完全禁止ではなく時間制限)
  • 定期的な姿勢変換の促進
  • 親子での正しい座り方の練習
  • 定期的なチェック
  • 月1回の家族姿勢チェック
  • 成長期における変化の観察
  • 必要に応じた専門家への相談
横座りをしている女の子
横座りなどが絶対ダメということでなく、さまざまな座り方ができるのが良いと思います。

これくらいまではやりたいと考えていますが、実際はさまざまな制約などがあってできないことが多く、もどかしい思いをすることも少なくありません。

タイプ別!あなたに合った股関節アプローチ法

では最後に前捻角のそれぞれのタイプ別に適したアプローチ方法をご紹介します。

過前捻タイプの方へ

  • 特徴を理解しましょう
  • 無理な外旋ストレッチは関節を痛める可能性があります
  • 内旋方向の動きを活かした体の使い方が得意です
  • おすすめアプローチ:

ストレッチでは以下の点に注意しましょう。

  • 開脚や蓮華座の無理強いは避ける
  • 絶対に他人に膝を押してもらわない
  • 「痛気持ちいい」程度で十分
  • 時間は15~30秒程度に留める

安全なストレッチ法としては以下の通りになります。

  • 仰向けで膝を抱えるような内旋ストレッチを中心に
  • 椅子に座った状態での軽い外旋から始める
  • 痛みや違和感があれば即座に中止

歩行時の意識としては以下の通りになります。

  • やや内向き(つま先を少し内側)で歩く
  • 母趾(親指)での蹴り出しを意識する
  • 極端な外向き歩行は避ける

後捻タイプの方へ

  • 特徴を理解しましょう
  • 外旋系の動きが得意です
  • 内旋方向への無理な動きは控えめに
  • おすすめアプローチ:

後捻を活かせる動きは以下の通りになります。

  • あぐらや開脚は得意分野として活用
  • バレエやヨガの外旋ポーズも向いています

歩行時の意識は以下の通りになります。

  • やや外向き(つま先を少し外側)で歩く
  • がに股になりすぎないよう注意
  • 母趾での蹴り出しは同様に意識

正常範囲タイプの方へ

正常範囲タイプではバランス重視のアプローチを意識しましょう。

  • 内旋・外旋をバランス良く行う
  • 一般的なストレッチ方法が効果的
  • 定期的なメンテナンスで可動域をキープ

よくあるご質問

ここからはよくある質問に対する回答をご紹介します。これまでの復習代わりにもお読みください。

Q&Aの画像

やめましょう。骨格的に制限がある方向への無理なストレッチは、関節唇や関節包といった関節を構成する組織を痛める可能性があります。特に過前捻の方の外旋強制は「インピンジメント」という骨同士の衝突を起こすリスクがあります。

パートナーストレッチでは、専門的な知識がないと受け手の骨格的制限や痛みの感覚を正確に把握できません。特に股関節や肩関節では、強制的な力により深刻な怪我を負うリスクがあります。最初は自分で行うセルフストレッチを基本とし、専門知識のない人に押してもらうのは避けましょう。

骨格が違えば、その人にとって最適な姿勢や歩き方も変わります。一般的な「良い姿勢」が必ずしもあなたに合うとは限りません。自分の骨格に合わせた姿勢や動作の獲得が重要です。

成長期を過ぎると、前捻角に限らず、骨の形そのものを大きく変えることは困難です。ただし、筋肉のバランスや使い方を改善することで、より快適に過ごすことやスポーツ活動や文化活動に取り組むことは十分可能です。

成長期の子どもは骨がまだ発達途中のため、適切な運動習慣や姿勢指導である程度の改善が期待できる場合があります。ただし、専門家の指導のもとで行うことをお勧めします。

前捻角の個人差自体は病気ではありませんが、自分の骨格に合わない動きを繰り返すことで、股関節や腰、膝などに負担がかかり、不調の原因となることがあります。

はい、非常に意味があると考えます。前捻角は遺伝的要素が強いため、家族全体を観察することで早期発見・予防的介入が可能になります。

整形外科医、理学療法士、または経験豊富な整体師・鍼灸師などの専門家にご相談ください。医療機関では必要に応じて画像検査なども行えますし、画像検査をした方がより確実に前捻角などの骨格の状態を評価できます。

また、前捻角を確かめる方法としてCraig testがあり、専門家がよく用いる方法の1つです(下記YouTube動画をご参照ください)。

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  4. Wilk KE, Macrina LC, Fleisig GS, et al. Correlation of glenohumeral internal rotation deficit and total rotational motion to shoulder injuries in professional baseball pitchers. Am J Sports Med. 2011;39(2):329-335. doi:10.1177/0363546510384223
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  7. Laudner KG, Sipes RC, Wilson JT. The acute effects of sleeper stretches on shoulder range of motion. J Athl Train. 2008;43(4):359-363. doi:10.4085/1062-6050-43.4.359
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関連記事

今回の記事を通して股関節などの骨格の個性や、その影響(機能的側弯を例として)をお伝えしてきました。これらを考える際には姿勢座り方背骨の構造などについての知識も参考になるかと思いますので、以下のブログも併せてお読みください。

まとめ:予防は家族全体で考えよう

今回は主に股関節の個人差(個性)、そして遺伝性と側弯の関係について、科学的根拠と実際の臨床経験に基づいてお伝えしました。重要なポイントを改めてまとめます。

  • 本記事で知っていただきたい8つのポイント:
  1. 骨格の個人差が関節の動きに関わる
  2. 前捻角は遺伝的要素が強い(兄弟間相関r=0.66)
  3. 環境要因(座位習慣)との相互作用で最終的な骨格が決まる
  4. 前捻角の左右差→骨盤傾斜→機能的側弯の連鎖反応
  5. 無理なストレッチは逆効果どころか怪我のリスクがある
  6. 家族スクリーニングによる早期発見が有効
  7. 早期介入により機能的変化は予防・改善可能
  8. 完璧な改善よりも、上手な付き合い方を目指す
  • 実践のポイント
  • 子どもの姿勢が気になったら、まず家族全体を観察する
  • 遺伝的素因があっても環境改善で予防は可能
  • 機能的変化の段階での介入が最も効果的
  • 専門家との連携で適切なタイミングを逃さない
  • 自分のタイプに合わせたアプローチが効果的

骨格の問題は「個人の問題」として捉えられがちですが、実際は家族全体の生活習慣や環境に根ざした問題である場合が多いのです。体の不調や動きにくさでお悩みの場合は、まず自分の体の特徴を理解し、必要に応じてご家族みなさまでご相談にいらしてください。一緒にあなたとご家族に最適な体の使い方を見つけていきましょう。

神奈川県伊勢原市の整体院すいっちでは、このような医学的根拠に基づいた評価と、お一人お一人の骨格的特徴に合わせたアプローチを提供しています。股関節や肩関節の動き、姿勢、家族での体質改善でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

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