このような疑問をお持ちの方、多いのではないでしょうか。私もこのようなご質問を本当によくいただきます。私も整体師・ヨガインストラクターとして、このようなご質問を本当によくいただきます。実際、運動に関する情報は溢れていますが「じゃあ実際にどの程度の強さで運動すれば良いのか」という具体的な部分が曖昧なことが多いと思います。
以前開催していたヨガ教室でもこのようなご質問をいただいた時には

自分にとって「少しキツい」と感じるくらいの運動をしてみてください。

えっ…キツいことをやらないといけないんですか…?
と、このようなやり取りをすることがありました。私の伝え方にも問題がありましたが、今回は、「少しキツイかな」と感じる運動がなぜ健康に良いのか、そしてその適切な強度をどうやって見つけるのかを、科学的根拠に基づいて解説していきます。
なお、本記事は一般的な健康維持を目的とした内容であり、既に医学的な問題を抱えている方は必ず医師にご相談の上で運動を開始してください。また、あくまで一般論をベースとし、分かりやすさを重視してまとめているため、専門家の方からはツッコミ所もあるかもしれませんが、どうか広い心で読み進めていただければ幸いです。
もくじ
なぜ「少しキツイ」運動が健康に良いのか?
結論から申し上げますと、「運動中に少しキツイかな」と感じる運動強度が、健康維持・向上に最も効果的であることが科学的に証明されています。

えぇ…楽な運動じゃダメなんですか…?
と思われるかもしれませんが、実はこれには深い理由があります。
体は「適度なストレス」で強くなる
私たちの体は、日常よりも少し上の負荷(ストレス)を与えることで適応し、より強く、より健康になる仕組みを持っています。これを「漸進的過負荷の原理」と呼びます。まとめると以下のようになります。
世界保健機関(WHO)も、成人に対して週150-300分の中強度運動を推奨しており、この「中強度」がまさに「少しキツイかな」という感覚に相当します。

「少しキツイ」運動で得られる健康効果
適度な運動強度の運動を継続することで、以下のような健康効果が期待できます。
- 心血管系への効果:
- 筋骨格系への効果:
- 代謝系への効果:
- 精神的な効果:

でも「少しキツイ」って具体的にどれくらい?
ここで多くの方がこのような疑問を抱くのではないでしょうか?

「少しキツイ」って…人によって感じ方が違うんじゃない?
確かにその通りです。年齢、体力レベル、運動経験などによって感じ方は大きく異なります。そこで、より客観的に運動強度を評価・チェックする方法をご紹介していきます。
有酸素運動の場合
ウォーキング、ジョギング、水泳などの有酸素運動では、以下のような運動強度のチェック法があります。1つの評価方法だけでなく、可能であればそれぞれを組み合わせることをおすすめします。
1. Talk Test(会話テスト)|最も簡単で実用的
- 方法:
運動中に短い会話や文章の朗読ができるかチェックします。
- 適切な強度の目安:
- 強度が強いと考えられる例:
この方法は科学的にも信頼性が高く、機器も必要ないため、どなたでも簡単に実践できます。

2. 心拍数による評価|より正確な方法
スマートウォッチや心拍計をお持ちの方におすすめの方法です。
- 心拍数予備能(HRR)法:
目標心拍数 = (220 – 年齢 – 安静時心拍数)× 0.4〜0.6 + 安静時心拍数
- 計算例(50歳、安静時心拍数70拍/分の場合):
- 心拍数予備能 = (220-50)- 70 = 100拍/分
- 目標心拍数下限 = 100 × 0.4 + 70 = 110拍/分
- 目標心拍数上限 = 100 × 0.6 + 70 = 130拍/分
つまり、この方の場合は110〜130拍/分で運動するのが適切ということになります。

3. RPE(自覚的運動強度)|体の感覚を数値化
RPE(Rating of Perceived Exertion:自覚的運動強度)とは、6〜20のスケールで運動のきつさを表現する方法です。
- 適切な強度の目安:
自覚的・主観的な評価方法ですが、この範囲が健康効果を得られる適切な強度とされています。
筋力トレーニング:重量設定の黄金ルール
筋力トレーニングでも「少しキツイ」強度の設定が重要です。
反復回数による方法|最も実用的
- 基本的な考え方:
8〜15回で「もう1回もできない」状態になる重量を見つける
- 実践方法:
- 軽い重量から開始
- 8〜15回で疲労困憊になる重量を探す
- 実際のトレーニングでは、その重量で8〜12回程度(余力を2〜4回残す程度)
- 具体例:

RPE(RIR方式)|感覚による方法
RIR(Repetitions In Reserve)とは余力回数のことです。
- 適切な強度:
これは有酸素運動で落ち上げたRPE(Rating of Perceived Exertion:自覚的運動強度)の6〜8に相当し、安全で効果的な筋力トレーニングの強度とされています。
タイミング別・運動強度の活用法
適切な運動強度がわかったところで、いつ・どのように活用すればよいかをご紹介します。
運動初心者の方:段階的アプローチ
- 第1週〜2週:体を慣らす期間
- 第3週以降:徐々に強度アップ
運動経験者の方:メリハリのある強度設定
- 基本セッション(週3〜4回):
- チャレンジセッション(週1〜2回):
時間がない方:効率重視の強度設定
短時間で効果を得たい場合は、やや高めの強度設定がおすすめです。
- 15〜20分の運動なら:

よくある間違いと注意点
ここからは運動に関するよくある間違いと注意点についてまとめました。
間違い①:「汗をかかないと意味がない」
汗の量は運動効果と直接関係ありません。気温や湿度、個人差によって大きく変わります。Talk Testや心拍数など、より客観的な指標を重視しましょう。
間違い②:「毎回限界まで追い込む」
毎回高強度で行うと、疲労の蓄積や怪我のリスクが高まります。8割程度の力で継続する方が、長期的には大きな効果を得られます。
間違い③:「痛みを我慢して続ける」
運動による軽い筋肉の疲労感と、痛みは全く別物です。関節や筋肉に痛みを感じたら、すぐに運動を中止し、必要に応じて医療機関を受診してください。

継続のための心理的アプローチ
適切な運動強度がわかっても、続けられなければ意味がありません。継続のためのコツをお伝えします。
「完璧主義」を手放す
- 理想:毎日30分は運動したい!
- 現実:でも忙しくて時間が取れない日もある…
- 解決策:
「変化」を楽しむ
同じ運動を続けていると飽きが来ます。以下のような変化を取り入れてみましょう:
- 運動の種類を変える:
- 環境を変える:
- 時間を変える:

よくあるご質問
ここからはよくある質問に対する回答をご紹介します。これまでの復習代わりにもお読みください。

- Bull FC, Al-Ansari SS, Biddle S, et al. World Health Organization 2020 guidelines on physical activity and sedentary behaviour. Br J Sports Med. 2020;54(24):1451-1462. https://doi.org/10.1136/bjsports-2020-102955
- Garber CE, Blissmer B, Deschenes MR, et al. Quantity and quality of exercise for developing and maintaining cardiorespiratory, musculoskeletal, and neuromotor fitness in apparently healthy adults: guidance for prescribing exercise. Med Sci Sports Exerc. 2011;43(7):1334-1359. https://doi.org/10.1249/MSS.0b013e318213fefb
- Borg GA. Psychophysical bases of perceived exertion. Med Sci Sports Exerc. 1982;14(5):377-381. https://doi.org/10.1249/00005768-198205000-00012
- Foster C, Hillsdon M, Thorogood M, et al. Interventions for promoting physical activity. Cochrane Database Syst Rev. 2005;(1):CD003180. https://doi.org/10.1002/14651858.CD003180.pub2
- Persinger R, Foster C, Gibson M, et al. Consistency of the talk test for exercise prescription. Med Sci Sports Exerc. 2004;36(9):1632-1636. https://doi.org/10.1249/01.mss.0000142382.58321.c2
- Reed JL, Pipe AL. The talk test: a useful tool for prescribing and monitoring exercise intensity. Curr Opin Cardiol. 2014;29(5):475-480. https://doi.org/10.1097/HCO.0000000000000097
- Helgerud J, Høydal K, Wang E, et al. Aerobic high-intensity intervals improve VO2max more than moderate training. Med Sci Sports Exerc. 2007;39(4):665-671. https://doi.org/10.1249/mss.0b013e3180304570
- Rating of Perceived Exertion: A Large Cross-Sectional Study Defining Intensity Levels for Individual Physical Activity Recommendations. 2024. https://doi.org/10.3390/ijerph211164849
- Convergent Validity of Ratings of Perceived Exertion During Resistance Exercise in Healthy Participants: A Systematic Review and Meta-Analysis. 2022. https://doi.org/10.3390/jcm11010085
- The talk test as a useful tool to monitor aerobic exercise intensity in healthy population. J Exerc Rehabil. 2023;19(3):187-193. https://doi.org/10.12965/jer.2023.19.3.187
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今回の記事を通して運動強度について理解を深めていただけたでしょうか。運動と言ってもさまざまな方法がありますし、運動の前後に行うストレッチも重要です。また、健康は運動だけで得られるものではなく、食事など他の日常生活の要素も重要です。以下の関連記事もぜひご参考になさってください。
まとめ:健康的な運動強度のポイント
今回は、「少しキツイかな」と感じる運動がなぜ健康に良いのか、そしてその適切な強度の見つけ方について詳しく解説させていただきました。重要なポイントをおさらいしましょう。
- 運動強度の基本原則:
- 実用的な評価方法:
- 継続のコツ:
最後になりますが、運動も継続してこそ効果を発揮します。今回ご紹介した方法を参考に、ご自身に合った運動強度を見つけて、健康的な生活を送っていただければ幸いです。
なお、慢性的な痛みや基礎疾患をお持ちの方、運動に不安がある方は、自己判断せず医療機関や信頼できる専門家にご相談することをお勧めします。個人の状態に応じたより専門的なアドバイスを受けることが大切です。
個人的には運動を続けるにしても、何か目標や目的があると良いと思います。例えば、私の場合は体力や体型の維持が目的の1つですが、その他にも「できないヨガのポーズをやってみたい」というのも目標になります。
目標に向かって自分なりに課題を分解し、運動強度を調整しながら運動を継続していくと「挑戦している」という感じがあってモチベーションの維持にもつながる気がします。
神奈川県伊勢原市の整体院すいっちでは、このような医学的根拠と臨床経験の両方に基づいたアドバイスとともに、お客様一人ひとりに合った施術やセルフケアを提供しています。お体の不調でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。ぜひ、以下の画像をタップして当院のホームページもご覧になってみてください。


























健康のために運動を始めたいけど、どれくらいの強さのものをやればいいの?